昔から下手の長竿とはよく言ったもので
釣り場で長い竿を振り回している釣り師は
たいてい魚が釣れてない
ことに渓流釣りではその傾向がよく見られ
値段の高そうな長尺竿でキメテいる釣り師で
魚籠を重くしている人は少ない
他人より長い竿を使えば魚に気取られ難く
竿抜けポイントも狙えて有利ともいえるが
そのデメリットはあまりに大きい
長竿長仕掛けは風の影響を受けやすく
コントロールしようとオモリを重くすれば
魚の喰いも落ちるだろう
木の枝に引っかけたり岩にぶつけたり
腕も疲れて何より釣りが雑になる
魚を釣るのに一等大切なことは
魚の目の前にエサを確実に届けることで
それにはひとつひとつのポイントを
ていねいに釣るにしくはない
先年亡くなられた細山長司氏のように
長竿大オモリを自在に使いこなすには
天賦の才ともいえるズバ抜けた技量が必要で
もちろんそんなものを持たない俺は
広大な利根川中流域でさえもたいてい
5.4mの短竿でシコシコと釣るならわしだ
...
さて梅雨が明けるとザリガニが旨くなる
皆さんもしばしば召し上がってらっしゃることと思うが
こいつには辛口の白ワインが結構合うだろう
今回はちょっと洒落てスパークリングワインを冷やしてみた
ポンと小気味よい音を立てて開け
ザリガニを剥いてむさぼり喰っていると
俺のココロの中の何かに引っ掛かる
何か大切なことを忘れてないか?
おおっ、そうだ
本流竿の尻栓だ
何年か前デカいヤマメを掛けた時
主導権を取り戻すべくズーム機能で縮尺した勢いで
俺の本流竿の尻栓が抜けて
荒瀬をどんぶらこと流れて逝ってしまったと
以前お話したことがあったと思う
以来本流竿を使えずにいたのだが
このワインのコルク栓は尻栓になるんじゃないか
...
すぐにでも竿尻に付けてみたかったが
釣り具箱の中に幾つかあった使いさしの接着剤は
ことごとく固まってしまって使い物にならなかったので
あくる日百均に寄って瞬間接着剤を買ってきた
コルク栓にたっぷりと塗り付け
ぬるりと竿尻の穴に挿入する
竿尻があぁと吐息をつく
接着剤が潤滑剤になったのか
思いのほかスムーズにコルク栓は竿尻に収まった
長い間ぽっかりと空いていた空白がついに埋められ
尻子はシアワセだった
尻子さん、ずっと一緒だよ
栓男がささやきかける
栓男さん、きっとよ
応える尻子はココロの片隅に
何か不安のようなものを感じていたが
ううん、愛があればダイジョウブ
小さな声でそっとそれを打ち消した
by US100243
| 2021-08-16 15:47
| 川の釣り
|
Comments(6)
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katsu
at 2021-08-19 12:40
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お久しぶりです。
ザリガニが実に美味しいそうで、見た目ロブスターかと 笑
ところでオチは、栓にしたコルクに着けた接着剤で全節癒着して、渓流竿ならぬ渓流棒になったとか?
ザリガニが実に美味しいそうで、見た目ロブスターかと 笑
ところでオチは、栓にしたコルクに着けた接着剤で全節癒着して、渓流竿ならぬ渓流棒になったとか?
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磯トンボ
at 2021-08-20 11:21
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渓流竿は短竿と記憶してましたが・・・自分の想い違いでした。田舎(黒部渓谷支流)では長竿はまず使えませんし、持つ人はいませんでしたので・・・。
長竿は鮎釣りだけでした(*_*;
ワインコルク栓の利活用~流石ですね。
真似してみます^^
長竿は鮎釣りだけでした(*_*;
ワインコルク栓の利活用~流石ですね。
真似してみます^^
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咲いたマン
at 2021-08-22 05:26
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katsuさん、おはようございます。
コメントいただき、ありがとうございます。
オチはまだ明かせませんが、いつも通り大した話じゃございません(笑。
次回真夏の本流に繰り広げられる、尻子と栓男の愛の物語を、期待なさらずにお待ちください。
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咲いたマン
at 2021-08-22 05:32
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磯トンボさん、おはようございます。
コメントいただき、ありがとうございます。
トンボさんのウキやカゴ製作に比べれば、
竿尻にコルク突っ込むだけの私の竿修理なぞは、小学生の夏休みの工作みたいなものです。
お恥ずかしいです(笑。
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もも兄ぃ
at 2021-08-28 11:31
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お久しぶりでございます。
房総はどこもかしこも封鎖で困ります。
このご時世仕方ないことは十分理解していますけど…。
さて、お話しは将棋と違って先読みはいけませんね。
”期待しないで”お待ちしています。
房総はどこもかしこも封鎖で困ります。
このご時世仕方ないことは十分理解していますけど…。
さて、お話しは将棋と違って先読みはいけませんね。
”期待しないで”お待ちしています。
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咲いたマン
at 2021-08-30 15:41
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もも兄ぃさん、こんにちは。
お久しぶりにお越しくださり、ありがとうございます。
そうなんですね、特に海方面はこっちくんなオーラがみなぎっていて、これでは爆釣報告も公開できないではないかと、心配になってしまいます。
まあでも自慢できるような釣果はいつも通りまるで無く、杞憂だったようです(笑。