漁港にアイゴが湧いている
アイゴという魚はどうも毀誉が分かれる魚で
かなり旨いという評価もたまには聞くし
臭くて喰えないという悪口はしばしば聞く
沖縄には稚魚を塩辛にした珍味もあるし
西日本の所々ではヒラキが賞味されてるそうだ
そんな知識だけはあったから若い頃俺は
赴任先の九州で釣ったデカいアイゴを
開いて一夜干しにして喰ってみたことがある
こんがりと炙られて脂の滲み出たアイゴは
発酵した小便を想わせる強烈な磯臭さで
変なモノを喰っては食通を気どる癖のあった
若い頃の俺にしても喰えたものじゃなかった
ふたくちほど喰ってギブアップし残りは捨てたが
ケチンボな俺が腐ってない喰い物を捨てたのは
後にも先にもこの時だけだったかもしれない
...
以来俺は身辺からアイゴを遠ざけてきたのだが
馬齢を重ねて少しは分かってきたことがある
喰い物の旨いマズイを軽々に言ってはならない
同じ魚種であっても季節によってサイズによって
棲家の水質やもちろん喰ってるものによっても
ずいぶんと味わいが違うものだ
アイゴを高く評価する地方があることは
故無きことではないに違いない
漁港に群がる無数のアイゴを見て俺は思った
しばらくアイゴを追究してみよう
いろいろアイゴを釣って料って喰ってみて
俺なりにアイゴを評価し直してみたいと思うのだ
マトモな魚が釣れないから言ってるワケでは決してない
...
追究するなんぞとカッコつけてみたが
外房にも南房にも今アイゴはいくらでもいる
コマセをパラリと撒いてみよう
カゴカキダイやサンノジと同様平たい磯魚だから
パワーとスピードはサイズの割には強烈で
細仕掛けで釣れば釣りとしてはとても面白い
鋭いヒレに毒を持っているのは皆さんご存知だろうが
これくらいの大きさなら別に大したことは
...
ぐわっ
...
イロイロ外道も釣れてくるが
雑魚釣りだって楽しいものだ
本命のバリコが釣り溜まってくる頃には
秋の陽はつるべ落としに翳ってくるだろう
大型のアイゴと違ってヒレを切り落とすこともない
〆たり血抜きをする必要も全くなく
ただちょっと厚手のビニール袋にでも入れて
冷やして持って帰ればそれでよろしい
...
料ってみると言ったってもとより怠惰な俺だから
毒ヒレを落とさないばかりかウロコも引かず
ワタすら出さず下拵えはほとんどしない
ざっと洗って多めの塩をまぶしつけてみた
これをタッパーに入れて冷蔵庫に格納する
アブッテカモをまねてみたのだ
ご存知の方もおいでだろうが
アブッテカモとはスズメダイの塩漬けで
よく博多辺りで焼いて肴にするから
九州北部の流儀だろう
ウロコが頑丈なスズメダイなら
なかなか塩が入って行かないから
しばらく漬け込むようだが
ウロコがないに等しい小さなバリコなら
一晩おけば頃合いだと思う
もちろんサイズや塩加減の好みにもよるから
イロイロ試してみてください
...
次の日タッパーを開けるとまぶしつけた塩は融け
少し磯臭い水が出ていた
これをグリルで焼くだけだ
...
あっという間に焼けたらさあどうぞ
バリコ定食
おまじないのようにスダチを垂らして
磯臭さ消えるかな
さあ喰ってみよう
恐る恐る
カゴカキダイのように脂はのってないが
旨味のあるしっかりとした身質の白身だ
こんがりと焼き色のついた皮目も
ニカワを含んで香ばしく旨い
懸念していたションベン臭さはまったく無く
わずかに帯びた磯の香は
魚喰いには好もしい個性と言えよう
調子に乗って肝臓にも箸をつけてみた
さすがにキモは...
おお大丈夫だ
普通の魚のキモのように普通に旨い
アイゴはかなり旨いぞ
>>低水温による資料不足のため
続きはしばらく後になります
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最後まで読んでくれてありがとう
遂にというか やはりというかアイゴに手を出されましたか 笑
いつかはこの時がくると信じてました。
私の中では イスズミ〉アイゴ〉サンノジですが利島で喰ったサンノジは美味かったというか、普通に食べれました。
これはボーズ逃れに最適な獲物でござんすね♪
いやしかし、トゲも切らずに料理とは随分とキアイを感じやすね…
やはり焼いたトゲはバリバリと喰うのでしょうかw
御免なすって(^^)
とうとう行けれましたか あの職業船がかなりやられた港に・・・。
台風21号の高潮の後に覗いた時、かなりのアイゴが群れてました。小メジナや海タナゴも。。。
未だに磯では40オーバーが釣れるアイゴ。流石にこれだけは持ち帰りません。野絞めが面倒なのと足が早いので面倒で。。。(*_*;
katsuさん、おはようございます。
いつも拙ブログをお読みくださり、ありがとうございます。
おおイッスーはアイゴを超えますか。
これは釣って喰ってみなければなりませんね。
ただイッスーの引きも強烈で、一説によると南房釣り師が大マダイに針を折られたとかハマフエフキにスプールの糸全部出されたとか思ってる相手は、99%イスズミだと分析されています。
ハリスを8号に上げてやってみましょう(笑。
海おとこさん、おはようございます。
いつも拙ブログをお読みくださり、ありがとうございます。
おや、ボウズ逃れとはちょっと引っ掛かりますね。
ひょっとしてイロイロ釣りしてなにも釣れず、やけくそになってバリコなんぞを釣って喰ってると思われてませんか。
違います。
アイゴは本命ですので誤解なさらぬよう(笑。
磯トンボさん、おはようございます。
いつも拙ブログをお読みくださり、ありがとうございます。
ワタクシもデカいアイゴはヒレを切り落とすのが面倒だし美意識にも反する気がして、再挑戦する気にはなれませんでした。
でも小さいバリコなら下拵え不要でお勧めです(笑。
意外に結構旨いですから、機会あればぜひお試しください。
しげさん、おはようございます。
いつも拙ブログをお読みくださり、ありがとうございます。
しげさんもアイゴを召し上がりますか。
結構隠れたファンがいるものですね(笑。
秋から冬の小型のアイゴが旨いということは実証できました。
次回は料理法を変えてみようと思います。