語るに落ちるとはこのことだろう
日頃から俺は渓流魚や山菜なんてものは
季節の中で釣ったり採ったりした楽しさや
一年よろよろとなんとか生きながらえて
再び彼らに出会うことができたヨロコビを
しみじみと感じながら半分はココロで味わうもので
舌にウマいマズいと言い募るのは野暮だろうと
分かったふうなことを言っているのに
ここ最近俺のブログの記事はダメダメだな
本当に久しぶりに逝った利根川中流域の
肥えたヤマメの変わらぬ旨さについうわずってしまって
だってポッテリなんだもの
ウマいだマズいだと散々書き散らしてしまった
少しばかり知ったつもりのことをサカシラにお話することで
軽薄なオノレの本性をさらけ出してしまったわけで
野暮の極みと言えるだろう
...
まったくもってお恥ずかしい限りなのだが
この変なブログを継続してお読みくださる
奇特でココロ優しい皆さんからすれば
お前が軽薄なことなんぞとっくのとうにお見通しで
平常運転だ気にするなと言ってくださるかもしれない
もとより有りもしない名誉を回復しようとは思わないが
このまま澄まし顔でいるのもちょっと据わりが悪いだろう
だから今日は即物的なウマいマズいなんぞを超越した
シブい味わいの魚のお話をしたい
ひと齧りふた齧りして純米酒でも啜れば
ヘタな俳句のひとつでもひねりたくなるような
雅味あふれる魚を釣って喰ってお見せして
ココロのバランスをちょっと取り直してみたいと思うのだ
...
毛も生え揃って夏
もうオトナよ
高速代を使ってまた利根川に来てしまったわけだが
梅雨も明けきった川べりは真竹のタケノコももう仕舞いで
むせ返るような草いきれに包まれている
流れに立ち込んで水温を計ってみると
21度!
6月にここのヤマメ釣りを皆さんにご紹介した時は
ダムの冷放水で水温は8度だったから
ふた月足らずの間に13度も上昇したわけで
ここからも利根川中流域はやっぱり特殊な環境だと
お分かりいただけるんじゃないかと思う
...
そんな真夏の流れでもヤマメは釣れる
ちょっと夏痩せ?
だが今日俺が狙うのは旬の終わったヤマメではなく
抱卵している雌のウグイなのだ
ウグイもそれ専門に釣ろうとすると結構難しく
ヤマメばかり釣れてしまう
それにウグイの産卵期もそろそろ終盤で
ふっくらと抱卵した婚姻色も鮮やかなウグイは
なかなか釣れなかった
ハタイた後
これはふっくらしているが
肥えてるだけ
...
炎天下の小物釣りだが川の流れは心地よく
子供の頃の夏休みの釣りを思い出させる
このまま子供の頃のお話に還って逝くと
またクダラナイ作り話をしてしまいそうなので
自重したいと思うがなにしろ暑い
アタリの半分以上はヤマメだし
ふっくら抱卵したウグイは10匹に1匹くらいだから
旨そうに見えるヤマメと抱卵ウグイを
喰う分キープして早々に釣りを切り上げたのだ
こんな釣りも楽しい
...
もともとアシの速い川魚であるし
うだるようなこの暑さだから
よくよく冷やして持って帰ろう
外道で釣れたヤマメは現地でワタを抜いてしまうが
本命のウグイはそのままワタは抜かない
腹子を喰って楽しむ肴なのだ
それに似たような雑魚であるオイカワと違って
ウグイのワタは苦くないので邪魔にはならない
ウロコだけざっと落として塩焼いてしまうが
メンドクサくないのがいいね
塩でヌメリを洗い落とすのは他の魚と同様で
生臭さや川魚の匂いが気になる性質の方は
この工程を念入りにするほうがいいだろう
...
ウグイなんぞは雑魚中の雑魚で
子供の遊び相手で喰うような魚じゃないと
思っている釣り人もおいでかも知れないが
なかなかどうしてバカにしたものじゃない
ガキの頃長兄が俺にくれた
聖書をちょっとひも解いてみよう
紀元前42年発刊
釣った魚は何でも喰ってしまった時代とはいえ
食味も釣り物としてもウグイの評価は高い
写真より絵のほうがコーフンする性質
俺の生まれ育った地域は沼や用水路ばかりで
小鮒やオイカワはよく釣れたが
なぜだかウグイはまるで釣れなかった
それで腹に朱線を走らせたいなせなウグイに
俺はアコガレや思い入れを抱いてしまったらしく
夜更けに寝床の中でこんなページをめくっては
悶々としていた思春期の夏...
...
川魚を焼く香ばしい匂いが漂う
夏の里川の風景を思い浮かべながら
焼けたウグイを喰ってみよう
さあどうぞ
俺は米焼酎以外の酒ならなんでも好んで飲むが
こんな肴にはやっぱり清酒が合うだろう
いったいに川魚やらタケノコやら乾物やら
若い頃から年寄りが好むような枯淡の喰い物を
少しは解するようになったのは
ひとえに酒を嗜んだおかげだろうと思う
シシャモじゃないぞ
淡白なウグイの身肉をむしっては
純米吟醸酒をちびり
ぽっくりとした腹子を口に含んでは
また冷やした酒をちびり
幼い頃の思い出や
昼間の川べりの草いきれを思い出しては
ココロで味わう
喰い物を味わうとはそういうことなんだと
三十年来説き続けてきた嫁はとみれば
外道のヤマメばかり喰ってやがる
...
それもこれも枯淡の味わい
...
はや喰へば
嫁が屁をひる
夏の夕
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最後まで読んでくれてありがとう
それで魚も釣れれば最高に楽しいですね^^
出勤途中にて^^;
相変わらずの釣りから晩酌までの、見事な表現力。
そして極め付きは締めの一句(笑)
しかしヨタ話が少なく、咲いたマン マニア(ファンでなくマニアです)として淋しかな(笑)
御免なすって(^^)
コメントくださいまして、ありがとうございます。
川の昼釣りは明るく爽やかで、海の夜釣りとはまた違った楽しさがあります。
魚が釣れるときも釣れない時もありますが、炎天下ですから日射病だけは注意しなければいけませんね(笑。
コメントくださいまして、ありがとうございます。
本当は釣りや家庭菜園な話なんぞは二の次で、クダラナイお話ばかりをしていたいのですが、それではkatsuさん以外読んでくださる方は居なくなってしまうでしょう。
お嫌かも知れませんが、マジメなお話にもガマンしてお付き合いくださいね(笑。
コメントくださいまして、ありがとうございます。
海おとこさんもお外道様の方に目が逝ってしまいますか。
ちょっと修行が足りませんね。
これからのオトナの釣り物は、磯はクチブト川ではウグイで決まりです(笑。
コメントくださいまして、ありがとうございます。
お国でもウグイの評価は低かったのですか。
確かに小骨が多いとか、生臭いとか、うじゃうじゃいてアリガタミがないとか、理由はたくさんあるのですが、なんだかちょっと哀しいです。
この先もしウグイを食する機会がおありなら、目を閉じて半分ココロで味わってみてくださいね(笑。
前のグルメな記事にも隠しきれない言葉の格調の高さが漂っていましたので気にせずジャンジャンいってください。
ウグイですが,冬のウグイは普通に美味だと聞いたことがあります。あと、最近増えてきたカワムツ、あれはどうなんでしょうか?
最近は私も海より川で、鮎タイツが本来の使い道になっております。タイツがクサくならないのがいいですね。
あと、鮎の塩焼きは捌かなくていいのが楽チンです。
そして炭火で焼いている時のなんとも言えない香り、その昔、縄文人だったころを思い出します。
ではでは
コメントくださいまして、ありがとうございます。
カワムツは旨くも不味くもないですが、喰えます。
揚げれば普通に喰えますので、不漁の時はぜひお試しください。
ボーズマンさんの鮎タイツ同様せっかく塩抜けたワタクシのカラダも、このところアミ汁を吸って臭くてべとべとになってしまいました(笑。
コメントくださいまして、ありがとうございます。
つけば料理と言えば信州は千曲川でしょうか。
あの川も栄養豊富で、何の魚でも妙にデカくなりますね(笑。
利根川との大きな違いはダムの冷放水ですが、機会がありましたらお味の違いを魚種ごとに教えてください。
いなせな風流さんは上級者コースでしょうか。
小粒を揃えたのにも大きな意味がありそうですね。
1度は見切った食材でしたが、
思えばサイズと環境に難ありでした。
来年の楽しみがまた1つ増えました。
それにしても外道の数の強烈さ…。
まるで到達の兆しが見えない遠い世界です…。
コメントくださいまして、ありがとうございます。
ウグイは確かにちょっと難しいですね。
大型のウグイに至ってはご推察の通り、熟達者コースと言っていいかもしれません。
この境地に到達するには味覚の問題だけでなく、オキニじゃなくても優しく笑いかけるとか、何が現れても絶対ノーチェンジとか、高負荷の修業が効果的と思われます(笑。
コメントくださいまして、ありがとうございます。
抱卵ハヤはシシャモや子持ちアユと同様、真子を楽しむ食材ですが、ハヤなら無尽蔵にいますので、罪悪感を持たずに喰えるのがイイところです(笑。
寒バヤなら問題なく旨いのですが、釣るのが難しい。
実際寒バヤ釣りはヤマメ釣りより、ずっと難しいんじゃないかと思います。
コメントくださいまして、ありがとうございます。
14代さんも淡水の獲物を召し上がりますか。
縄文のココロを刺激されますよね(笑。
寄生虫にはくれぐれもお気を付けください。
拙ブログにお越しくださり、ありがとうございます。
駄句に胸キュンしていただけましたか。
お恥ずかしい限りです。
季節はおセンチになりがちな秋、褒めていただくといよいよクダラナイ俳句を連発してしまいそうです(笑。