皆さんのボウズ逃れは何ですか
もちろんボウズ上等の漢(おとこ)釣師もいらっしゃるだろうが
オカズ釣師の俺としては何かを釣って持ち帰りたい
たいてい本命魚は釣れない俺だから
しばしば根魚を釣って帰るのだと前にお話しただろう
根魚といったって誰でも釣れるカサゴとムラソイが主で
それでも結構旨いから俺は有り難く思っている
どちらかと言えばかなり不細工な魚達なのだが
つぶらな瞳がカワユス
俺はカサゴやムラソイを愛していると言っていいだろう
...
そんな可愛い根魚も俺が釣るのは秋から冬だけだ
乗っ込みで釣りやすいからか
ほかに釣り物が少ないからか
カニと同様寒い季節にだけ釣って
春から夏は狙って釣ることはない
産卵期は冬だからそれから遠い夏のほうが
身肉も充実して旨いはずだが
たぶんショゴやらキスやらイワシやら
暖かい季節は喰える小魚に事欠かないから
釣りきってしまいやすいカサゴやムラソイを
大事に温存しようという気持ちもあるのかもしれない
...
さていつものように仕事をサボって茶を啜り
お気に入りの釣りブログを巡回していると
ちょっと気になる記事に行き当たった
夜磯で型の良いムラソイが釣れたので
刺身に造ってみたという
キレイに引かれたムラソイの刺身は
白く光ってなかなか旨そうにみえたのだが
マズくて喰えないそうだ
ひどく磯臭くて一切れも喉を通らないという
こんなクソ不味い刺身は冷凍庫に放り込んで
次回の釣行時にコマセに混ぜてしまおうとまでおっしゃる
俺は人類で魚類であるムラソイの身内ではないが
それでもこんな書かれ方をしているのを読むと
何だか昔つきあっていた女の子が嫁に行き
夫のDVに悩んでいるというウワサを耳にしたような
切なくてちょっと物悲しい気持ちになってしまう
これは何とかできないものか
茶を飲み干して俺はそう独りごちたのだ
...
たまたま新鮮な根魚をもらった
カサゴに良型のムラソイが混じっていた
ひれピンですよ
タフなムラソイは持って帰ってもまだ生きていて
刺身を試すのにはもってこいだろう
ウロコを取って腹を割る
なんだかキタナイ
ムラソイのいけないところはすぐババタレることで
同じくババタレ野郎のイスズミも評価は低い
これも磯臭さの原因の一つかもしれない
腹子を持ってない季節だから
ココロおきなくキープできたというカサゴも
こいつはババタレない
ちょっとピンぼけ画像だがお分かりになるだろうか
腹子の代わりに白い脂肪を蓄えている
これで旨くないわけがないだろう
...
さてサクに取ったムラソイの身肉だが
ここで素人包丁ならではの工夫がひとついる
じゃぶじゃぶと流水で洗ってしまうのだ
まな板の上に垂れたババやら包丁についたヌルやら
徹底的に洗い流すのは言うまでもないが
柵取りした身肉もじゃぶじゃぶと洗ってしまう
味が抜けるからか身がヘタるからか
おろした魚はむやみに洗わないのは鉄則で
この料理の基本は洋の東西を問わないらしく
かのトーマス・マンも「ブッデンブローク家の人々」の中で
そんなふうなことを言っていた(ような気がする)
だが俺はしばしば魚の身肉をじゃぶじゃぶ洗う
よしんば味が抜けたとしても(やっぱり抜けるだろう)
ウロコや磯臭いヌルを除去することを優先している
もし俺が板前の見習いで
そばで厳しい先輩板前が見てたなら
フグ捌いてんじゃねえぞと怒鳴られて
包丁のミネで額を割られてしまうかもしれない
だがリアルの俺は板前の見習いではなく
貧しいとはいえ一国一城のアルジであるから
我が家でそんな狼藉を働くのは嫁くらいだろう
だから遠慮なく俺は柵取りした魚をじゃぶじゃぶ洗う
ここはポイントかもしれない
気が済むまでじゃぶじゃぶと洗い
磯臭くない刺身をタンノウする習わしだ
...
キッチンペーパーで水気を拭き取る
味抜けたかな
生きていた魚だから洗われた身肉はイキリたって
これは鯉やスズキの洗いと同じ理屈だろう
ブリブリですよ
このままラップに包んで一晩寝かせたほうが
身質も落ち着きイノシン酸とやらも増えて
旨いのだろうがすぐに刺身に引いてしまう
半分洗いになったムラソイの刺身をちょっと冷やして
夏らしくコリコリとした舌触りで楽しんでみたいのだ
手前がムラソイ薄桃色はカサゴ
皮は湯引きにしてみた
熱湯をかけたら取り残したウロコをこそげ取り
やはり徹底的に洗ってしまおう
...
さあ飲るか
野菜も食べてね
ムラソイから喰ってみる
磯臭くないかな
ちょっと硬いがかなり旨いぞ
脂気がなくて白身らしい味わいだ
ワサビで喰ったがポン酢のほうが合いそうだ
庭のミカンはまだ小さいから何としたものかと
思案していてふと思い出し物置をのぞく
腐ってませんか
春に収穫したまま放置していた夏ミカンだ
まだダイジョウブです
割って醤油に絞り込む
それでムラソイを喰ってみると
こりゃ旨いな
...
どれ皮の湯引きも試してみよう
こりゃうま...
こりゃ硬いな
カサゴの湯引きはシコシコとして普通に旨いのだが
ムラソイの皮の湯引きは尋常でないくらいに硬く
チューインガムのようにガシガシと噛み続けても
一向に口中で破壊されることはない
まるでカバンの切れ端でも喰ってるようなのだ
でもこのニカワの強い皮は面白い食材だと思う
煮えてしまうくらい長めに湯に当てて
少し細かく千に切ってポン酢で喰えば
トラフグのトオトオミのようで
旨い酒肴になるんじゃないか
次の機会に試してみよう
最後になるがカサゴの刺身は文句なしに旨く
カサゴの旬は夏だと言ってしまっていいかもしれない
魚拓カレンダーもそう言っている
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最後まで読んでくれてありがとう
あっしも同感でござんす♪カサゴやムラソイといった白身魚の刺身は好きでしてね(^^)
さっぱりしててブリっブリの歯ごたえはこたえられやせん♪
夏、皆さんがマズイと言って喰わねぇメジナも同様、しっかり水洗いして、氷水にくぐらせチヂれたヒエヒエの洗いは酒がススみやすぜ(^^)
いやぁ~イサキに続いてカサゴ、ソイまで下さる神父さんに感謝でござんすね(笑)
御免なすって(^^)
自分で釣り、料って、召し上がれば、さぞご満足。いい暮らしですね。
自分で蒔いて、世話して、穫って、料って食べる暮らしに、やや草臥れてきました。畑、売っちゃおうかなー。
だけど自分の畑の物って、気のせいやヒイキ目でなく、あまみがあって実に美味しいんですよ。
カサゴもです。恐らくタナが違うんでしょうね。
湯引きも刺身も美味しそうです。
コラーゲンがたっぷり~肌に良さそうですね!(^^)!
ソイが臭いって個体差によるものですよね〜?
石鯛やワサも磯臭くて食べられない物がありますので、シッカリと活き締めしててもです。
もうそうなると香辛料効かせてフライで食してます。
コマセに混ぜるだなんて酷い物云いの奴が居るものですね。
命の冒涜としか思えません。最低です。一体誰の事でしょう。(笑)
その物悲しさはオキニのデリ嬢がブログで他のお客さんとの、
僕の知らない自らの表情を楽しそうに綴るのを読んだ時に似たものでしょうか。
違うか。(笑)
ご訪問いただき、ありがとうございます。
白身贔屓の海おとこさんは、やっぱり洗いがお好きですか。
暑い季節ならではの好酒肴ですよね。
よしんば磯臭さが残っていても、秘伝の漬けダレがあれば怖いモンなしです(笑。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
畑おっくうになってしまいましたか。
ならば規模を小さくして、ワタクシも実践している自然農法はいかがでしょう。
茂りすぎた草を刈り倒すくらいで基本的に何もしませんが、半分虫にくれてやっても、菜っ葉やスパイスくらいは喰うに足りるくらいは採れます。
雑草もたいてい喰えますし(笑。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
南房夜磯のヌシともいえる磯トンボさんにして、ムラソイを釣ってないとは。
まあ正攻法の遠投籠釣りには、あまり似つかわしくない魚ではありますね。
いればすぐ釣りきられてしまう魚ですから、ムラソイを釣っている釣り師は、変なトコロを釣っている変な人が多いようです(笑。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
ヌルと内臓を完全に隔離すればかなり防げるのですが、個体差は確かにあるようですね。
そんな個体に行き当たったら磯臭いなんて思わずに、「磯の香りがしてオイシイ」と三回唱えろと神父様がおっしゃってました(笑。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
男女の仲と同様、釣り師と釣った魚の仲に他人は立ち入ることができないところが切ないです。
せめて豚さんはオキニじゃない娘さんにも、優しくしてあげてくださいね(笑。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
おおっ、サンコウを洗いでやっつけましたか。
さぞかし磯の香りがして美味しかったことでしょう。
こうなるとタカノハダイやらイスズミやら、房総の夏空に夢は大きく膨らんでいきますね(笑。