春になるとつい浮かれてしまう
気温も上がれば花も咲く
タンポポだって咲くだろう
街を歩く人々の服装も華やいでくる
もちろん人によっては落第してしまったり
追いだし部屋に配置換えになったり
重篤な花粉症だったり
悲惨なケースもあるだろうが
それでも内心はチョット浮かれてるんじゃないか
春になると浮かれてしまうのは
秋になるとおセンチになるのと同様に
これはもう自然現象と言ってもいいだろう
暖かい日差しの中、萌える緑を見ているだけで
老いさらばえたこの俺も
何だかココロ浮かれてしまうのだ
...
浮かれた俺は仕事を投げ出し山へ向かう
インターをくぐり東北自動車道に乗る
桜の花を追いかけてみようと思ったのだ
やらなきゃいけない仕事は山ほどあるが
浮かれちまったんだからしょうがない
ああしょうがないしょうがないと唱えながら
那須高原をドライブすると
桜満開花曇り
...
少し登って那須疎水のほとりでは
ソメイヨシノは五分咲きくらいか
日本に産まれてよかった
山には残雪、少し湿った春のそよ風に
浮かれた俺が魚釣りをしたくなってしまうのも
これはもうしょうがないことだろう
...
駐車スペースに車を止め荷台をあけると
俺はおもむろにランドリーショイコを降ろす
渓にはランドリーショイコがよく似合う
次に前回の釣行から結びっぱのルアーを外す
まだ燃えてますね
つなぎっぱのルアーロッドをひっこ抜いて格納し
やっと渓流釣りの支度にかかるが
房総の海水の沁み込んだ鮎用スリムウェーダーに
今日は塩抜き
ライジャケが渓流チョッキに変わるだけだ
年券5,500円は良心的
もちろんコイツを忘れちゃいけない
ルビアスくれ
...
先週の雨でかなりの水が出たようだ
濁りは無いが水位は高い
水温を計ると
7.5度
こりゃドライフライじゃ厳しいか
川虫はいるかな
ピンチョロ確認
川辺で俺は5.4mのハエ竿を握り
レベルラインをつけて毛鉤を振るか
0.2号の水中糸をつけて川虫で釣るか
しばらく思案するフリをしたが結局
釣友Mの巻いてくれた毛鉤で釣ることにした
早期はカゲロウっぽいのがイイような
別に疑似餌で釣ることにこだわったわけじゃない
川虫を採るのがメンドクサかったのだ
...
しばらく釣りあがるが魚は出てこない
低水温のうえに増水気味だ
魚は深みに入ってしまっているのだろう
川幅が広がり浅い瀬が続く
盛期なら絶好の毛鉤ポイントなのだが
まだ寒い今頃では魚は付いていないものだ
ありゃ
祝2013年ファーストフィッシュ
ありゃりゃ
いきなり入れ食い
釣りに先入観は禁物だ
...
水温が上がってきたのか魚が出だした
だが成魚放流魚が多い
イワナ君リリース
一等ポイントにはたいてい放流魚が付いている
まだ天然魚よりデカくて強いからだろう
27cmリリース
解禁以来渇水が続いていたので
釣られずにずいぶん残っているようだ
ひたすらリリース
皆さんバンバン釣っちゃってね
尺はあるけどヒレがない
魚に罪はないけれど
充分に天然繁殖している力のある川なのだ
アリバイ作りのような成魚放流はやめてほしい
水たまりにはこの冬孵化したのだろう
2cmくらいのヤマメの稚魚が群れていた
パーマーク萌え~
...
放流魚と天然魚の割合はは半々くらいか
成魚放流魚ではないな
小振りなヒレピンのみキープしていたが
この釣れ具合なら夕マヅメの釣りだけで喰うには充分と考え
友バッグのヤマメは全て解放した
しばらくキャッチ&リリースで釣り上がる
結構キレイだけどどっちかな
...
俺にとっての釣りの動機は
半分以上は喰うためだろう
ガキの時分には喰わないヘラブナや
室内釣り堀にのめり込んだ時期もあったが
たいていの獲物は喰ってきた
だからリリース前提の釣りになると
とたんにヤル気を失くしてしまう
イメージ画像です
その日もモチベーション激下がりで
投げやりな釣りを続けていると
流れを挟んだ向こう岸の枯葦の中
ゆっくりと動物が近づいてくる
ニホンカモシカだった
画像拝借
まだ冬毛なのかふかふかの毛並みで
遠慮がちな足取りで流れに近づいてくる
そしてクンクンと空気の匂いを嗅ぎながら
恥ずかしそうに俺のほうを見るのだ
う、旨そう
お~い、帰らないでおくれよ
ニホンカモシカの出現にひとしきり萌えた俺は
竿をたたんでいったん本流筋を離れることにした
半年ぶりの渓の釣り
イロイロやりたいことはあるのだ
...
沢筋に入って魚影を探したり
カタクリの群落の無事を確認したりした
カタクリ萌え~
カタクリはいつも通り
恥ずかしそうにうつむき加減に咲いている
含羞と言うのだろうか
ニホンカモシカにも言えることだが
この恥ずかしそうにと言うところが萌えるに重要なポイントで
俺が教師なら試験に出すだろう
...
ソメイヨシノが満開になる時が盛りなので
ちょっと早いかなと思いながら俺は探している
暖かな南向きの斜面でそれを見つけた
コゴミ萌え~
標準和名はクサソテツだがコゴミの方が通るだろう
シダの類だがワラビやゼンマイのようにアクを抜く必要はない
そのまま茹でて結構旨い
俺の大好きな山の幸のひとつだ
クルクル巻いた可愛いコゴミの芽に萌えた後
全部むしって収穫していると
バリバリドシャンと雷の音
今の季節にマジですか
...
山の雷はかなり怖い
実際に平地より近いせいだろう
だが谷間の空は狭いから
結局降られずにスルーしてしまうことも多い
俺は車の中に避難し待機した
ドシャ降り直撃
おやつでも喰って様子を見るか
そういえばこれからのスイーツは和菓子だと主張する南房磯師がいた
俺としては甘いものなんぞ和菓子だろうが洋菓子だろうが
ショージキどうでもいいのだが
意味不明ながら熱く語られるとつい影響されてしまう
抗日デモの大陸人なみの単純さで
俺はその南房磯師に連帯した
かしわもちっ
...
雷雨は一時間近く続いたろうか
小降りになった雨の中、車の外に出てみると
駐車スペースには習志野ナンバーのワゴンが一台だけ
これだけ降られたらドライフライはいよいよ厳しい
昼釣ったヤマメを少しキープしとけばよかったな
橋の上から川の様子を見ると
水かさは増えているが濁りは無い
上流に大堰堤があるので、濁った沢水が入ってくるまで
しばらく時間がかかるのであろう
これなら何とかイケるかもしれない
...
水温は9度
水位は高いが魚は出た
骨酒用
じきに先行するエサ師に追い付いたので
追い越さないよう下流を広く探った
実はこのエサ釣りのおぢさんとひと悶着あったのだが
この件では俺も少し考えるところがあったので
後で独立した記事にしたいと思う
...
増水で水面までの距離が長いからか
魚が出てきても喰いそこねが多い
チビ天然
それでも流れに立ちこみピンポイントを撃っていくと
次第に友バッグのヤマメは増えていく
旨そうなのだけキープ
結局毛鉤が見えなくなるまで釣り
もう限界
骨酒用のイワナひとつとヤマメを10くらいキープした
今日のおみや
...
家に帰って小振りなヤマメを塩焼きに
コゴミは胡麻和えにした
山菜には油を含んだ胡麻やクルミがとても合うのだ
ヤマメは小さいほうがたいてい旨い
知る人ぞ知る今日の純米酒
ずるがバレちゃってもう大変
ヤマメは旨い
コゴミも旨い
山の恵みに感謝して
純米酒をぐびりぐびり
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釣れてくれてありがとう