カテゴリ:四方山話( 14 )
ちょっとスマホを買ってみた~なかった昔にゃ戻れない
       
いまだにガラケーを使っている時代遅れのおぢさんに

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こちらホワイトロックどうぞ


どうしてスマホにしないのか と訊いてみてごらんなさい

おぢさんは不必要に肩に力を入れて少し怒ったふうに

それでいてその瞳の奥には幽かな脅えと哀しみを宿して

それまで何度も繰り返してきたセリフを言うだろう

電話とメールしかしないからこれで充分なんです

たいていのおぢさんはそう言うし

それは文句をつけようも無い合理的な理由で

のみならず虚栄や流行に煽られて

無駄な消費はしないという立派な了見ともいえる

なのになぜだかその言葉には怒気が含まれ

ちょっと言い訳がましく自分の耳に聴こえてしまうのは

たいていのおぢさんたちが持つしょぼい自意識の

なせる業なのかもしれない







...








俺は変化に適応できないタイプのうえケチンボだから

電子機器から釣道具に至るまで

たいていのモノは型遅れの安物を買う

ケータイも10年くらい使い続けていて

メールと電話と釣った魚を写メするくらいで

魚もあんまり釣れないから月々の料金は

おおむね3,000円足らずで、俺は納得していた

だがそんなある日仕事するフリをしながら

釣りブログをネットサーフィンしていると

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マジですか

コマセの匂いに気が付いたクロダイのように

俺の関心はスマートフォンへと向けられたのだ








...








魚釣りに地合いがあるように

頑迷な人間が変わるタイミングだったのだろう

経済ニュースである国産電機メーカーが

不採算のスマホ部門を手放したがっているという

調べると浸水と衝撃に強いことが売りの

まるで釣り人のためのような機種がある

値段も3万円くらいで安い部類だろう

このニュースで投げ売りが出るかとみていると

果たして2万円を割り込んできた

だがそれでも俺はスマホを買わなかった

仕掛周りを悠然と泳ぐ百戦錬磨の年無しクロダイのように

警戒を怠らないというワケでもない

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みえクロダイは釣れない


俺はケチンボのうえ変化を怖れるタイプの人間だからだ








...








そうしてグズグズと日々は過ぎていたのだが

ある晩 P C を立ち上げるともうヤケクソのように

そのスマホが事務手数料込み9,800円で売られていた


ダンゴが割れたと思った


俺はそのオキアミにバイトした







...








こうしてめでたくスマホを手に入れたのだが

シミッタレな俺はココロ落ち着かなかった

もっと値崩れするんじゃないかと恐れた

だが市中に出回っていた在庫ももう捌けたのだろう

ほどなくして相場は定価近くに戻ったのだ

俺はようやく安堵した








...








ガラケーがスマホになったからといって

あまり使わないことに変わりはない

だが釣り道具と同様新しいツールを手にすると

なんだかウキウキしてくるものだろう

このスマホによって俺の老い先短い人生に

新しい地平が開けるんじゃないか

このスマホを介して新しい交際が生じるかもしれない

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はやくふるふるシタイのう









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by US100243 | 2017-09-29 12:34 | 四方山話 | Comments(6)
もらいコジキはよしとくれ
   
   
俺は時々犬になる


もちろん俺が変身する犬だから血統正しい犬だったり

愛らしい座敷犬だったりするはずもなく

たいてい小汚い外飼いの雑種犬だ


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あちこちカユイの

蚊に刺されてフィラリアになった昔の犬と比べれば

めでたくノーベル賞をもらった大村先生のおかげで

俺たちの寿命もずいぶんと延びた

だがたいてい蚊に刺されて若くして死んでしまった

昭和の犬たちが平成を生きる俺たちよりも

不幸を感じていたかと言えばそんなことはないだろう

犬は10年と生きないのが当たり前だったから

それが自然で運命だったのだ









...









エサは飼い主の残飯を喰っている

散歩の途中で会う他家に飼われた犬たちが言うには

イマドキ犬に残飯を喰わせるなんてちょっと聞かない話で

それはオマエの健康に悪いだろうと言う

犬の生理に合ったドッグフードを喰わせるのが


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ニンゲンには旨くない

今の時代の常識だそうだ

俺の飼い主はおおむね俺を愛してはいるようだが

ひどくケチンボだからドッグフードは買わない

飼い主の分際は飼い犬の俺の分際でもあるから

これも廻りあわせで運命というものだろう

何よりニンゲンの喰い物は塩気が効いて

旨いから俺も気に入っていて不服はない








...









暖衣飽食し好き勝手に自然を利用して

犬から見れば不満を持ちようも無いニンゲンたちだが

皆ひとしく幸せかと言えばどうもそうでもないらしい

俺の飼い主はTVでニュースを観て今日も怒っている

ニュースを観るとたいてい怒るのだから

懲りてもう観なければいいものを

また観て果たしてまた怒っている

だぶんアタマが悪いんだろう

何でも先の大震災で津波に呑まれた小学生の

親たちが学校のせいだ教師のせいだと

訴えて裁判で大金をせしめたらしい


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半島の人たちを嗤えない








...









犬の性質として俺も地震や雷がひどく怖い

雷が鳴る時なぞもう怖くて怖くて

身の置き所もなく犬小屋を出たり入ったり

鎖に繋がれた外飼いの立場を呪うばかりだ

先の大震災でもたくさんの犬が犠牲になった

サイタマにいた俺が腰を抜かしてしまったのだから

さぞかし怖かったろう苦しかったろうと同情に堪えない

犠牲になったニンゲンやほかのイキモノも同様だろう



だがそれを他人のせいにするのか


苦労して建てた家を流されれば悔しいだろう

慈しみ育てた我が子を失えば未練だろう

天災は自然現象なのに当事者にとっては不条理なものだ

だが千年に一度といわれる大地震に

有史以来の大津波に都合よく対処して当たり前だと

考えるのはあまりに傲慢だろう









...









役所の説明が気に喰わないと言う

あの時は誰もが呆然自失だったじゃないか

もとより事なかれが習い性の公務員に

いったい何を求めているのだ

真実を知るための裁判だと言う


笑止である


なに我が子の悲劇をダシにして金をせびる

自分の浅ましさにココロの底では気づいていて

照れ隠しに口を尖らせているのだろうと

世間の人々は言いにくいかもしれないが

犬の俺なら分かるし言える

そしてこういうことができる連中は


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俺はこいつらを憎悪する

犬畜生に劣ると犬の俺は思うのだ







...









金をせしめてヨカッタな

金を手に入れた者どもへの嫉妬もあるのだろう

皮肉に毒づく俺の飼い主も浅ましい



人間とは嫌なものだ


もはやニンゲンなのか犬なのか

自分でも判然としなくなって俺は思う

何でも他人のせいにするような人間は

それにかこつけて金をせびるような人間は

古来日本では物笑いになったんじゃないのか

日本人は世間の目を怖れる

同調圧力だとネガティヴに捉える向きも多いが

俺はその効用を評価している

連中のそして同時に我らの内なる自己欺瞞を

卑怯を未練を強欲を矯正し押し込めるために

嗤って恥をかかせるのだろう

親類知己なら遠慮もあって出来なかろうが

俺たち世間は嗤うところじゃないだろうか



アハハハハ

もらいコジキは

よしとくれ



誰も嗤わぬようだから

独り俺は嗤わせてもらう





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by US100243 | 2016-10-28 15:12 | 四方山話 | Comments(36)
軽減税率が分からない~税金はくれてやるもの
   
   
俺はアタマが悪いから


軽減税率というものがよく分からない

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既定路線になりつつある

今度消費税率を増税する際に

喰い物には手心を加えるのだそうだ

あまねく公平に取る間接税である消費税は

所得の低い者ほど負担率が増す逆進性があるから

生きていくに不可欠な喰い物の税率を低くして

低所得者層に配慮するのだという

痛税感も和らいで個人消費の落ち込みも

食い止める効果があると言うのだが



果たしてそうか








...









農産物にも水産物にも相場がある

豊凶によって大きく相場は上下する

盆明けから天候が不順だったこの秋は

ずいぶんと野菜の値段が高い

数パーセントなんて誤差の範囲で

痛税感に影響などあるものか


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半額ハンターならなおさらだ

それに税率がどうあれ喰い物は必要なのだから

個人消費にも影響などない

消費を煽りたいのなら贅沢品やどーでもイイ物の

消費税を無くしてみてはどうか

それが善かは知らないが

効果はよっぽどあるだろう









...









逆進性も不可ならば

累進課税をキツくするのが理屈だろう

金持ちも喰う喰い物の

税率を軽減してどうする

課税所得のハードルも上げたらいい

なに所得もなくイロイロ給付で生きている

社会の弱者に寄り添いたいとおっしゃるか

それが正義というのなら

給付を厚くするのがスジだろう








...








釣りに逝けないからとイラ立って

いったい何が言いたいのだと問われれば



軽減税率メンドクセェ


まるで税収が足りないんだろう

貧乏人からももっと取りたいんだろう

ヨロシイそれならくれてやる

だからシンプルにやってくれ

生まれながらに大金持ちの財務大臣が

軽減税率はメンドクサイと言って

当然世間の不興を買ったようだが

生まれながらにショボい小市民の

俺もその意見には賛同したい









...









イキリついでにもうひとつ

業腹なのは新聞屋だ

当たり前のように自分の商売に

軽減税率を適用せよと言う


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ブン屋は心底浅ましい

EU諸国の9割以上が新聞は軽減税率だそうだ

表現や報道の自由、活字文化の保護は

何よりも大切だと言う認識があるからだそうだ

民主主義の主役である国民にとって

政治経済文化などの多様な情報や言論を

入手しやすい環境が重要だからだそうだ

新聞が消費増税の対象になって読者に負担をかけると

日本の民主主義、文化、知識水準が

大いにシンパイされるのだそうだ




...




笑止だろう

名だたる大新聞に机を置く記者だもの

大した教育を受けたエリートなのだろうが

書いてて顔が赤くならないか

アタマの悪い俺だって

新聞読むし本だって読むが

軽減税率なぞ要るものか

人はよく手前勝手を言うものだから

彼らがいそいそと自分の田んぼに水を引くのを

お互い様だと冷たく嗤って見過ごすのが

オトナの振る舞いなのかも知れないが



モノにはほどがあるだろう


自分たちはお上に特別ご配慮いただいて

あとは消費増税のお手伝いか

正義の味方を気取るなら


ソンする側に立って言え!



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二ヶ月釣りに逝ってない
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by US100243 | 2015-10-29 15:12 | 四方山話 | Comments(15)
街の生活~秋のラン&ガン日誌
   
   
秋には旅が似合うだろう

これは人間だけに限ったことではないのかもしれない

秋風が吹けば夏鳥は旅立ち冬鳥は来る

鮭は生と死を紡ぎに故郷の川を溯る

スナフキンだって旅に出るだろう


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ガキの頃憧れた

秋になるとおぢさんだってセンチメンタルになり

似合わぬ詩を読んだり追憶にふけったり

ふと旅に出たくなってしまうのだと以前お話したと思うが

夏の短かった今年は例年より長い秋の季節を

そんな切ないようなココロ模様で過ごすのだろうか

去年は1週間だった金木犀の花の合間


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やっぱりクンクンするだろう

今年は2週間以上あいている

今日はそんな旅ゴコロをわかってくださる皆さんに

俺の旅愁漂う秋の一日をお話ししてみたいと思うのだ









...










まあ旅に出たいと言っても俺だって社会人

そうそう休みが取れるものでもない

日頃のチンタラぶりが祟ってむしろ休みがない

せいぜい夜磯で一晩過ごすくらいが常だが

秋になると俺の釣りも変わってくる

漁港や小磯をラン&ガンする釣りが多くなるのだ

これはショゴやらアジやらメッキやら

ラン&ガンの対象魚が増えてくるせいもあるが


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釣りとしてはとても面白い


ポイントを転々と移ろい釣り歩くことが

なんだか秋の旅情にマッチするからでもあるだろう

だからやっと休みの取れた明日の釣りは

漁港をラン&ガンしてアジングをキメようと思うのだ









...









アジングって何だかカッコイイだろう


夜磯にジャブって肥えコマセを柄杓で撒いて

ゴンズイングやらクサフギングをしてる皆さんを尻目に

アジングを格好良くキメるため俺はロッドを新調した

シャープなフィーリングに加え繊細さに磨きをかけた

フィネスでウルトラライトなロッドだ

ハイレスポンスソリッドのティップセクションを長くすることで

高感度だけでなく追従性も向上させている

ティップからベリーにかけて適度に追従することで

ラインテンションの変化を明確に感じることができる

リグを潮になじませながらフォールさせたり

ラインテンションを張ったり緩めたりして巧みに誘ったり

自在なテンションコントロールを可能とするティップは

極細ソリッドなれどとても丈夫でしなやかで

どんなに曲げても決して折れるものでは


あ”っ


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穂先が折れた

釣具屋に逝って合うトップガイドを探すのも億劫なので

2番ガイドから先をちょん切ってヤスリで仕上げる


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角度も修正

まあパッツン系のロッドに生まれ変わったわけだ

さっきまで垂れてたノーガキは



聞かなかったことにしてくださいw








...









さて釣り具はいつも車に積みっぱなしだから

特に準備をすることもない

明日のラン&ガンの為の喰い物でも探しに

スーパーのラン&ガンに出かけてみよう


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ここはPB品が安い

漁港をラン&ガンする時も

ただ漫然と釣っていたんじゃダメだろう

季節、魚種、潮汐、風向きや同業者

諸々の条件をおのれの経験知に照らし

ポイントを選択しつつ漁港を釣り歩く

漁港それぞれにクセというか違いがあるから難しい

それはスーパーも同様なのだ



スーパーにも地合いがある









...









もちろん同じスーパーでも鮮魚の地合い、パンの地合い

弁当の地合いなど魚種喰い物によって地合いは違う


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このポイントが怪しいぞ

やはり刺身の地合いだ

タイミングを誤ると同業者に抜かれてしまうぞ


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海鮮丼が199円(税別)だ


今夜の夜風は特に冷たい

そのせいか街の人通りももうまばらだ

もう一軒実績のあるスーパーを叩いて帰ろう


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最近結果を出している






...








このスーパーはなかなか面白いスーパーで

原発周辺の微妙な地域の農林水産物を多く置いている

風評被害に苦しむ農家や漁師を助けているのかもしれないが

大陸や半島の品も臆面もなく置いているから

たぶん安く買い叩いているんだろう

もちろん売値も安いからずいぶん繁盛しているが

こんな地雷も仕掛けられたりするから油断も隙もない


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これって犯罪じゃね

そんな危険と隣り合わせのスリリングな買い物も

野山を駆け巡り獲物を追う古代人のココロに

還って逝くようでそれはそれで楽しく

スーパーをラン&ガンする時は必ず一度

俺はこのポイントをチェックする習わしだ








...









店内に入っても人は少ない

狙い通り鮮魚の地合いだったのだが

たくさんの刺身パックが売れ残っている

おや苦虫を噛み潰したような顔をしている

鮮魚売り場のおぢさんの様子か変だぞ

ヤケクソのように刺身パックに値札を貼りだした

おおっ、ナブラだ!

いやもうこれはただのナブラじゃなく



トリヤマが立ったぞ


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売り尽くし100円セール!!!

これは俺のように毎日スーパーをラン&ガンしていても

年に数度しか行き会えない貴重な現象で

その日の天候や売れ行きや客の入り具合や

鮮魚売り場責任者の厭世観やらがフクザツに絡み合い

化学変化の末はじめて現出する

俺をはじめ半額ハンターたちはこの現場に出会うことを

夢見て鮮魚売り場を彷徨い続けていると

言ってしまっても過言ではないだろう









...









得も言われぬ高揚感に包まれて俺は家に凱旋した


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嬉しさのあまり並び替えてみる

日頃白身が旨いだの分かったようなことを言ってるクセに

値段の高いマグロばかり買ったのはご愛嬌だ

さっそく勝利の酒を飲もうじゃないか


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痛風警報発令

房総の魚も悪くはないが


やっぱりマグロは旨いのう


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トロトロですよ

どこからか金木犀の匂いが忍び込んでくる

二度目の花が咲きだしたのだろうか

秋の夜風に心地よく溶けだした俺は

明日の釣りを中止することにした



だって喰いきれないだろう


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アジサシング




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by US100243 | 2014-10-17 15:32 | 四方山話 | Comments(24)
夏の夜~輪廻について考える
 


まさか釣り逝ってないでしょうな


今はまさしく月遅れのお盆の最中で

このブログをのぞいてくださる皆さんは

夜釣り教やらオカズ釣り教やらナントカ釣り教やら

ちょっと異端な宗派の方も一部おいでのようだが

たいていは敬虔な仏教徒だろうから

迎え火やら送り火やら焚いたりして

ご先祖の御霊としみじみ語っていらっしゃることと思う



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裏山で焚いてみました

信仰心なぞカケラもないナンチャッテクリスチャンの俺でも

お盆の期間に釣りなんて無益な殺生をしていると

死んでからのちゴンズイ地獄に落とされたり

朝鮮半島で青イソメに生まれ変わったりしてしまいそうで

ウチで大人しくビールなぞ飲んでいることが多い

だから今日は清らかな家庭菜園ブログである

このブログの本来の趣旨に立ち返り

俺の自然農園(狭い庭)に生育する作物の

育ち具合や実りについて皆さんにご報告するという

お盆にふさわしい記事にしたいと思うのだ







...








自然のままの自然農園だから

自然の野山と同様植物相は変遷する

始めた頃はスギナがはびこって往生したな

それがハコベになったりヤブガラシになったり

季節ごとに年ごとに覇権を握る者は変わる

そして我が農園の現在の覇者は



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山芋だ

山芋の蔓にはたくさんのムカゴがつくが

地面に落ちたその一つ一つがまた一本の蔓になる

できるだけ拾って喰うようにしているが

とても拾いきれずに今農園は山芋だらけだ



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中の人は梅とスダチだ

それでもその間隙をぬって喰える植物は生えている

夏はやっぱりオクラだろう


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花もちょっとキレイだ

次から次へと生るオクラの実をちぎるのが

気だるい俺の朝の日課なのだが

前にもお話したと思うが指がションベン臭くなる

このままよく手を洗わずに会社に逝ったりすると

コイツは朝っぱらから陰部をいじくってやがるのか

などとあらぬ嫌疑をかけられてしまうから注意が肝要だ

このオクラも代々この庭で採種しているオクラで



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こんなにデカくなる

熟したサヤの中に詰まった種を


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ひとサヤで充分


春にちょっと地面をほじくって蒔いておくだけだ

代々続いていると言えば菜っ葉なんぞはもう大変で


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丈夫な個体だけが生き残る

小松菜やら白菜やらチンゲン菜やらが

春になって一斉にナノハナを咲かせるだろう

もう羨ましいくらいに乱交配をしまくるから

ウチの菜っ葉はカブなんだかカラシナなんだか

わけのわからない植物に進化しつつある


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アタシってなんなのっ

勝手に生えると言えばニガウリもそうだ

去年のキュウリに代わって夏ミカンの木を占有している

ニガウリの苦みはちょっとクセになるところがあって

夏場のいいビタミン元として俺は重宝している

イボイボが強そうだが意外にその先端はすべすべとよく滑り

これなら奥様おススメですよ


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意味不明


夏ミカンの木から駆逐されたキュウリは地面を這っている

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どこに生ってるんだ

品種はいつもの四葉(スーヨー)でトゲトゲでデカい

キュウリもぶら下がれれば真っ直ぐスラリと生るのだが


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地面を這わせると曲がってしまう


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なぜだか生るキュウリはことごとく曲がってしまい

太くてイボイボがチクチクでそのうえ曲がってしまっては


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貞淑な奥様にはお勧めできない

雑草の緑に紛れて分かり難いのだが

探すと結構たくさん生っていた


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しばらくキュウリ地獄








...








さてキュウリに割り箸でも突き刺して

盆の行事の真似事でもしてみるかと

部屋に入ってボンヤリと仏壇を眺める



そうウチにも仏壇があるのだ



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アーメン

この仏壇は嫁が実家から持ち込んだもので

以前にいちど燃えたことがある

燃えたといっても家屋でいえばボヤみたいなもので

中身の写真やら思い出の品やらが燃えた

付け火の犯人は一番下の高校生のバカ息子で

まだヤツが小学生の頃だったと思う

大人のマネをして灯したロウソクの

火が何かに燃え移ったのだろう

危うく火を消し止めたあと扉を閉めて澄まし顔でいたが

部屋の中が異様にこげ臭くバレないわけがない

この仏壇は嫁の強い自己愛の内側の存在だったらしく

超激怒した嫁はせがれを叩き出し

朝まで家に入れなかったようだ

俺は酒を飲んで寝てしまって関与していない

翌日になってもまだ嫁は怒り続けていて

一人分ではモノ足りないのか俺にもせがれを叱れと言う

たぶん夜通しコンビニでも転々としていたのだろう

反省してるんだかしてないんだかわからない様子で

眠たそうにボンヤリとした顔のせがれに俺は

家まで燃えちまったら大変だろう

火の扱いには気をつけろよくらいのことを言い

強く叱ることなどできなかった

その時俺はDNAというものを直感的に理解した

過失とはいえ仏壇を燃やしてしまうというバカなせがれに

俺自身の影を確かに映し見ていたのだ





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by US100243 | 2014-08-14 14:57 | 四方山話 | Comments(10)
白子考~失われた時を求めて
   
   
<<前回からの続き

鬱勃たる性的エネルギーに衝き動かされ

獲物を求めて街に彷徨い出た俺は

強烈な既視感(デジャ・ヴ)に包まれていた


これは以前にも確かにあった

オスの本能の赴くまま

俺は獲物を探し求めて彷徨い歩いていた

ずっとずっと昔

そうあれは俺が中学生だった頃








...








高度成長期も最終局面を迎えた昭和の時代

野放図に開発され尽くした俺の故郷にも

武蔵野の面影を残す雑木林が所々に残っていた

中学生の俺は林の中をうろついては

ヤマグリを拾ったりジネンジョを掘ったり

そしてもっともココロはずむ収穫物は


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エロ本だった

ちり紙交換に出すのもハバカラレたのだろう

雑木林には結構エロ本が捨てられていた

雨露に打たれたそれらはボロボロごわごわになり

バリバリに張り付いてめくれないページがあったり

裸体画の下からムカデが走り出てきたりした

雑木林の地面にしゃがみ込んで思春期の俺は

湿った腐葉土の匂いに包まれながらコ―フンした

昭和のエロチシズムの世界にたゆたっていたのだ








...








金木犀の匂いを嗅ぎながら平成に生きる俺は

まるでその頃に戻ったかのように感じていたが

ココロの奥底ではそれが錯覚だと悟っていた

中学生の頃と今の俺では決定的な違いがある

そう、それは



もう弾切れだろう


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これで最後だよ

とりあえず弾を補充しよう







...








カラダのあるパーツが弱っている時には

牛や豚のそのパーツを喰うといいという考えがある

心臓が弱っていればハツを肝臓が弱っていればレバーを

喰って補うとそれなりに効くというのだ

そんなものは迷信だとおっしゃるか

その通り迷信だと俺も思う

バカ高い価格でサプリメントが売られている


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他人の商売にケチは付けたくないが

グルコサミンやらコンドロイチン

消化されアミノ酸やら糖に分解されてしまうのに


そんな成分が体内に入りまた都合よく

軟骨やら睾丸やらに駆けつけてくれはしないだろう

それでも人は何かにすがらずには生きていけない

俺もそんな弱い人間の一人なのかもしれない








...








俺は煮魚を喰う時かならず脳味噌をチュウチュウする

理由は申し述べるまでもないだろう

そして同じ理由でとても白子を偏愛しているのだ

一等旨いと思う白子はトラフグの白子だ


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たいていの人は賛成してくれるだろう

トラフグの白子は超絶旨い

超絶旨いが超絶高い

俺にとって特別な喰い物で日常喰うものではない

身近な所ではメジナの白子はかなり旨いぞ

だが残念なことに白子の成熟とともに

メジナの身肉は磯臭く締まりなく不味くなる

いっそ白子だけ取り出して魚体は捨てちまおうかとも思うが

流石にそんな鮭の密漁者のようなヤクザなまねはできない

白子は旨いが身肉も一緒に喰わなきゃならんと思うと

どうも産卵期のメジナはキープする気になれないのだ

そうだそろそろタラの白子がでてるんじゃないか


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ああ早く喰いたい

マダラの白子は良い物ならばトラフグに負けない

だがその美味が知れ渡ったのか最近はかなり高い

だから俺が常食するのは格下のスケソウダラの白子だ

なにスケソウだって充分旨いのは前にもお話した通りだ

俺は獲物を求めてスーパーへと彷徨いこんでいった








...








スーパーの白子売り場でゲットした本日の白子


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サケの白子だ

100gあたり55円と超絶安い

半額セールの豚小間肉より安いんじゃないか

売ってる動物性タンパクでは最も安い部類だろう

ちなみにメスザケの腹子の値段を見て見ると


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白子の10倍以上だw


オスザケせつねぇ


この可哀そうなまでに安いサケの白子の値段だが

いちがいに不当な評価だとは言えない

なぜならあまり旨くないのだ

かなり生臭いし白子のくせにクリ―ミィじゃない

生命を殺めて得たせっかくの自然の恵みなのだから

何とかしたいと毎年買って喰うが何ともならない

だが今回は違う

北海の粋人(スイジンだよイキビトじゃないよ)なみ平さんの

洒落たブログで逝けそうなレシピを発見したのだ

今シーズンは安くて旨いサケの白子料理で

弾を補充できるかもしれない







...








最初に言っておくが俺はイイカゲンな人間だから

なみ平さんの指南通りに料理はするが

いつも通り所々で手抜きをするだろう

不安な方はなみ平さんのブログにお邪魔して

過去記事読んでちゃんと勉強した方がよろしい

さて今日は白子料理の定番のポン酢和えと

なみ平さんイチオシの竜田揚げを作ってみよう


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まずはクンクンしてみよう

スケソウダラの白子などは俺達と同じ匂いがするが

サケの白子はちょっと違う生臭さだ

このへんも弾の補充感に欠けて評価は低い

その生臭さのもとらしい血管を取り除く


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もっと丁寧に

塩をまぶしてしばらく放置

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時間はテキト―

流水でヌメリを洗い流す

この時血管やら薄膜やらの残骸をキレイにとる


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酒をぶっかけてしばらく放置

なみ平さんは酒水を1:1にしてマリネしてたかもしれないが

なに酒が濃いほうが効くだろう


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時間はテキト―だ

鍋に水とだし昆布を入れて火にかける

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沸騰する直前に火を止める

下拵えした白子を放り込む

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なみ平さんの教えでは75℃で3分間との手順だが

もちろん俺は温度を計ったりするはずもなく

冷たい白子を放り込んで75℃になったと澄まし顔だ

引きあげて流水で洗って冷やし切り分ける


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煮てしまわないことが肝心だ

俺の自然農園にぶちまけておいたワケギが芽吹いている

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ムシってきて薬味にしよう

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ポン酢に浸して好酒肴の出来上がりだ

スダチでも絞りかければなおイイだろう


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冷蔵庫で冷やしておこう

まだ大量に残っている白子を一口大に切り分ける

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酒、しょうゆ、ショウガで下味を付け片栗粉をまぶす

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たっぷりの油で揚げる

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これも揚げ過ぎないことがポイントだろう

どれ、ひとつ喰ってみよう

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アチチチ

おおっ、なかなか旨いな

揚げ物は揚げながらつまみ喰うのが一等旨い

だが油の蒸気にやられるのかすぐ食欲がなくなる

この現象を俺のオフクロは油負けと言ってたな

揚げ終わり少し油負けを自覚した俺は

スポーツジムに逝ってひと泳ぎすることにした

サッパリしたらビールを飲んで弾丸を補充しよう








...








スポーツジムから帰ると一番下のバカ息子が

弾丸竜田揚げをおおかた喰い尽くしていた

父さんこのカラアゲ美味しいねとおベンチャラを言っている

おおそりゃヨカッタなと笑いながら

猫の額よりも狭いココロの持ち主の俺は

胸の中で悲痛に叫んでいた


高校生が白子喰ってどうする!



オマエにゃ必要ないだろう!!




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by US100243 | 2013-10-24 10:07 | 四方山話 | Comments(14)
金木犀は二度咲く
   
   
俺はガキの頃の記憶があまりない


特に人間関係にまつわる記憶が弱く

法事や同窓会で懐かしげに思い出話をされても

まるで思い出せずに気まずい思いをすることが多い

アタマが悪いからだと言われればそれもそうだが

他人への関心がちょっと希薄だからとも思える

今でも名前や顔を覚えるのは苦手だ

仕事をサボって茶を啜りながら記憶を遡る時

老いてボンヤリとした俺の脳裏に浮かんでくるのは

ヤナギの新芽

飼っていたコリー犬

棚からぶら下がるブドウの房

ヤマユリの花

釣り上げたオイカワを握る左手

手のひらを嗅ぐと潮の香のようなオイカワ独特の匂い


思い出されるのは自然の事物ばかりで

なぜだかそれぞれに固有の匂いや香りが

同時に思い出されてくる

俺はココロの中でその懐かしい匂いを

まるで今嗅いでいるかのように感じることができるのだ








...








嗅覚というのは俺にとって不思議な感覚で

記憶と分かち難く甦ってきたりもすれば

官能のトリガーになったりもする

そう、ココロの中のエッチな部分に働きかけるのだ

これは俺が特別エッチなわけじゃなく

オトコは(オンナも?)たいていそうなんじゃないか

目の前にカラフルで可愛らしい小布があるとする


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オトコならクンクンするだろう


なかには俺は日の光にかざして見つめたいとか

いきなり頭に被ってしまったりする御仁もいるかもしれないが

たいていのオトコはクンクンする

好いたご婦人と楽しい時を過ごしていて

指先やらナニやらついクンクンしてしまい

腐ってませんから

などと不興を買ってしまった経験は

みなさんたいていあるだろう









...








その日俺は妙にキテいた

若い頃秋のそぼ降る雨の中で

とても悲しい思いをした記憶が甦ってきたり

腰のあたりに感じるちょっと官能的な感覚に戸惑ったり

窓から金木犀の匂いが流れ込んできていたのだ


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花のもとにて秋死なむ

春まだ浅い頃のジンチョウゲ

梅雨の湿った空気に漂うクチナシ

夏の朝のヤマユリ

匂いフェチの俺は何の花の匂いでも好きだが

金木犀の花の匂いを特に愛している

花はなぜ香るのか

ムシやら動物やらを誘き寄せて花粉を運ばせるためだ

いってみればオスの生殖行動みたいなものか

栗の花の匂いなんてそのものズバリだ

だから花の匂いは俺のココロの原初的な部分に

隠微にそして時には強烈に働きかけるのだろう








...








10月の初め頃咲き始めた金木犀は

一度散りまたすぐに花を咲かせる

関心が薄ければ10日ほども咲き続けているように見えるが

今咲いているのは二度目の花なのだ

だから咲いている金木犀の木の下を見ると


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散り落ちた一度目の花

新旧の花が同居している枝もある

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今咲く花もいずれは枯れる

二度目の花は色も匂いも少し薄い

それもオスの二度目の行為のようで

なんだかモノノアワレを感じてしまうのだ








...








金木犀が何度咲こうとどうでもいいとおっしゃるか

確かにただの自然現象でどうでもいいだろう

だが俺は二度咲く金木犀を見て感じた

秋のせいで少しおセンチになっている俺のココロは

そこに何やら啓示のようなものを感じたのだ



俺も二度咲こう


ロウソクの炎は消えてしまう直前に

未練がましく禿げしく燃え盛るという

老いさらばえたこの俺も

今日は朝から精力に満ちているようだ

ウソです

はっきり言ってビンビンなのだ
ミエはってます

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年頃のムスメさん達は注意するがいい

金木犀の匂いに誘われたかのように俺は

生贄を求めて街に彷徨いでたのだ

この話続く>>




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by US100243 | 2013-10-17 17:18 | 四方山話 | Comments(20)
インナートリップ~俺が長物に弱いわけ(後篇)
  
<<続き

イカダの上で俺は大型のクーラーボックスを椅子代わりにして釣っていた

来るときには弁当や飲み物を入れ

釣行後は締めた魚を入れて帰った

ココロの声に導かれるかのように

俺は空のクーラーボックスの蓋を開けると

巨大ウナギの巻き付いた右腕を肩口まで突っ込み

左手で勢いよく蓋を閉めた

当然右腕は挟まる


イテテッ

そんなトンチンカンな行動をとってしまうほど

俺はパニクっていたのだ

二の腕を挟まれて俺は痛かったが

一緒に挟まれた巨大ウナギも痛かったのだろう

あるいは暗くて狭いクーラーボックスの中のほうが居心地がいいと思ったのか

俺の右腕からスルリヌルリとボックスの中に入っていく

巨大ウナギがボックスの中に収まると俺はふたたび蓋を閉め

ドスンと蓋の上に正座してはあはあと息をした


全校生徒の前で喰らったビンタ


ロシア娘に喰らったおっぱいビンタ


そして巨大ウナギの尻尾のビンタ


クーラーボックスの上であえぎながら俺は

人生における三大ビンタがここに成立したと

強く強く感じていたのだ








...








何だか揺れている

波ひとつない海のイカダの上なのに

めまいがしてるのだろうか

いや、俺の身体が持ち上げられている

巨大ウナギは俺の乗った蓋を持ち上げ

クーラーボックスから出ようとしているのだ

既に蓋のスキマから尻尾が出ていて

化け物の舌のようにうごめいている

濡れて光ってモーレツに気色悪い

俺はとっさにポケットの車のキーを手にすると

その先端をガシガシと巨大ウナギの尻尾に突き立てた

この攻撃はたまらなかったのだろう

巨大な尻尾は血を滲ませてボックスの中に戻っていった

俺は今度はちゃんと蓋の留め金を下ろし

クーラーボックスを密閉させた

これが元気にウネる奴の姿を見た最後だ

俺と巨大ウナギの戦いは完全に終結したのだ







...







クーラーボックスから出ている釣り糸を手繰ると

海中から竿とリールがあがってきた

俺は安物の道具しか使わないから問題はない

そのまま釣りを続けることにした


漁師の朝は早い

まだ真っ暗なうちからあちこちでエンジン音が響きだす

次々と出漁していく漁船の中から

何だかイカダの上の俺に視線が向けられている様な気配がした


夜中に大騒ぎをしたことが悪かったのか

出漁する漁船の喧噪に怯えたのか

朝マヅメは何も釣れなかった







...







すっかり明るくなると引退漁師の爺さんが様子を見に来た

漁った魚をストックしておく生簀の中を

魚を数えるように凝視している

生簀の中にはせがれが獲ったのだろうイサキやマダイが入っている

俺はイカダで釣りをする釣り人が

生簀の魚を盗んだという話を聞いていた

俺は頼まれもしなかったがスカリをイカダの上に引き揚げ

釣果自慢を装って釣った魚を爺さんに見せた

たぶん純朴なのであろう爺さんのココロに生じた猜疑心を

溶かしてやろうと思ったのだ

いいチヌが釣れたな、よかったよかった

爺さんはそう言いながらも俺の尻の下のクーラーボックスを見ている

爺さんまだ疑ってやがるな

俺は巨大ウナギを封じ込めるまでの顛末を話し

だからこの蓋は開けられないのだと説明した

そしてこれをどうしたものかとも言った

爺さんはそれならワシに任せろと言う

別段反対する理由もないので

俺は巨大ウナギの入ったクーラーボックスを

爺さんに引き渡すことにした

板張りのイカダの上を、ガリガリとクーラーボックスを引きずって爺さんは岸に向かったが

何か思いきったように振り向くと

俺の目を見ないで言いにくそうに言った

お客さん夜中に変な声出すのヤメてくれんかい

近所のモンにいろいろ言われるけん


俺は何も悪いことはしていない

巨大ウナギに大変なメにあわされたと言ったろう

そう思ったがなぜか俺は反論する気になれず

粘液まみれの右腕に目をやると少しホホを赤らめ

うつむいて黙ってしまったのだ







...







やっぱり釣りが好きな俺は昼前まで釣りをした

やっと刺身がとれるくらいのシマアジが2枚釣れた

締めた魚を入れたスカリを手にさげ

俺は爺さんの家へ戻った

裏の作業場にまわるとクーラーボックスが洗って置いてあった

スカリの中の魚をクーラーボックスに移すと

俺は裏口の戸をあけもう帰ると告げた

爺さんが出てきてウナギを裂いてやるから持って帰れと言う

作業場にある小部屋ほどもある冷凍庫のドアを開くと

カチカチに凍った巨大ウナギが丸太のように転がっていた






...







爺さんは巨大ウナギをこれまた巨大なまな板の上にゴトリと置くと

目打ちもせずに首のあたりにザクリと出刃包丁を入れた

ウナギの生命力は凄い

巨大ウナギはメキメキバリリと凍った身体を反り返らせた

見ていて俺は総毛立ち変な汗をかいちまったが

爺さんはこともなげにメリメリとまな板の上に押し返し

ザクリザクリと巨大ウナギの身体を背開きにしていったのだ






...







いくつかに切り分けられた巨大ウナギの切り身を

俺はひとつだけ持って帰ることにした

それでも小さな座布団くらいの大きさだ


爺さんはソーセージほどの大きさの肝を取り出し

持って帰るかと訊く

俺はいいよと断って言った

おじさん喰って精つけてくれよ

爺さんはそうかと言い

前歯が半分くらい抜けた口元をほころばせて笑った







...







まぶたを開くと事務のおばちゃんと目があった

お具合が悪いのですかと茶を淹れてくれたが

居眠りコイテないでさくさく働けと目で言っている

俺は何も言わず顔をしかめて見せただけだ

そして今回のココロの旅を反芻し分析した

あれ以来俺は長物を恐れるようになったのだから

原因は巨大ウナギとの闘いにあるとみて間違いない

あの粘液まみれのショッキングな体験が

俺の精神にダメージを与えたのだろう

だが俺は巨大ウナギをやっつけた

その過程にちょっと見苦しい点もあったが

持って帰った座布団小の切り身を焼いて蒸して

醤油とミリン半々のタレで付け焼きにして

何日かに分けて喰ってしまったのだ

俺は勝ったのだ

恐れることなど無い

長物を恐れる理由など何もないのだ

俺は茶を啜りながら

自分に言い聞かせ続けた

俺のココロのどこかに巣食っていた怖がり虫が

やっと出ていったように感じられた





...






俺は長物恐怖症を克服することができたと思う

粘液まみれになった親父の形見の薄緑色のスキーウェア

もう捨ててしまおう

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親父まだメーワクなくらい元気だし


長物を恐れ続けた半生を

これから少しづつ取り戻していこう


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もう怖くないぞ             うわぁ~


いずれ長物と雄々しく闘う記事を

このブログに書いてみたい

そんな漢(おとこ)記事を近いうちに皆さんにお見せするつもりだ


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買って喰ったら負けかなと思っている



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by US100243 | 2013-02-22 18:42 | 四方山話 | Comments(11)
インナートリップ~俺が長物に弱いわけ(前編)

   
サルはヘビに酷く怯えると言う

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ウキーッこっちくんな

渓流釣りをするくせに俺もヘビが怖い

手を掛けようとした岩の上やヤブコギをする足元に

ヘビを発見するたびうひゃぁといって腰を抜かす


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こいつはマジ危険


お前の感性はサル並みかと言われれば否定しようもないが

なに誰だってヘビは怖いだろう

これは俺達がまだサルだった頃からある脳の部分

たぶん脳のちょっと内側の辺りに宿してる恐怖感じゃないかと

俺は勝手に思っている







...







正直に告白すると俺はウナギも怖い

蒲焼きになっていれば全然オッケーむしろ大好物なのだが
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蒲焼きウメェー

生きてウネウネぬめりと泳ぐ姿はたまらなく怖い

ついでに言うとエサのドバミミズも怖い

針につけようとして触ると

全身をクリンクリンさせて抵抗するのがとってもイヤだ

ギンポも怖い

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頼むから暴れないでくれ

こいつのテンプラも大好物なのだが、怖いからかなりキアイの入ったときでないとキープできない

ドジョウは大丈夫

蕎麦も大丈夫だがスパゲティはちょっと怖い

表面のぬめり感も影響しているのかもしれない

ハサミの先など尖った物を怖がる人もいるが

俺の場合は長くてクネクネする物が怖い

ありていに言って俺は長物に弱いと言えよう







...







先日仕事をサボってお気に入りの釣りブログをチェックしてると

信じられないようなおぞましい画像が目に飛び込んだ

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うすべに色の可愛い君のね

ウツボの首ちょんぱの記念写真だろう

俺はうひゃあといって目をそむけ急いでウィンドウを閉じたが

しばらくは動悸がおさまらなかった

このブログの主は以前にもトグロを巻いた大アナゴの姿煮を

誇らしげにアップしてらっしゃったから要注意ではあったのだ

喉元までこみあげた胃液を無理やり飲み下し俺は思った

実物はともかく画像にまでうひゃあといって腰を抜かすようじゃ重症だ

昔は俺も青大将のしっぽをつかんでブンブン振り回して遊ぶ

ごくごくフツ―のガキだったのだ

いつの頃から河童にシリコダマ抜かれたような

こんなヘタレになっちまったんだろう

この理不尽な恐怖感の原因を突き止め

真正面から対峙して克服しなければなるまい


そう考えた俺はパソコンをオフにすると椅子に座ったまま目を閉じた

長物に恐怖する根源、原因となる原体験を探し求めて

俺は俺の内なる世界へと旅に出たのだ







...







まだ20代、サラリーマンだった頃の話だ

俺は仕事で大分県の佐伯という町を訪れた

チャチャッと30分ほどで仕事を片付けると佐伯のさらに先

蒲江というひなびた漁師町まで足を延ばしたのだ

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高速ってマジかよ、イノシシしか走らんぞ

蒲江はリアス式海岸の入江の奥の天然の良港で

よほどの悪天候でない限り、いつでも湖のように静かな海だ

海岸の至る所から浮き桟橋が海へ掛けられ

それに漁船や生簀がいくつも繋がれている

土地ではその板張りの浮き桟橋をイカダと呼んでいた

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常夜灯もほとんどなかった

持ち主にいくらかのお金を払って、イカダの上から釣りをする

俺の行きつけは引退漁師の爺さんがオーナーの小さなイカダで

漁った魚をストックしておくいくつかの生簀と

せがれの乗る小さな漁船が繋がれていた







...








親父のお古の薄緑色のスキーウェアを着ていたから

まだ寒い季節だったと思う

夕マヅメから俺はチヌ狙いでイカダに乗った

岸から10mほどで水深は5mくらい

1号のチヌ竿に1号のオモリを背負うヘラウキのような浮木を使う

2号ハリスに4号のチヌ針を結び餌にはオキアミを付けた

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トップにケミホタルが入る

底は砂と牡蠣ガラの綺麗で豊かな海で

チヌ以外にもアジやサヨリ、マダイに至るまで色々な魚が回遊していた

その日は何だか夜光虫のよく光る夜で

暴れる魚の形に光る夜光虫が面白かった

夕マヅメから夜遅くにかけて

俺は何枚かの良型のチヌを釣りあげたのだ

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クロダイですよ






...







深夜になるとアタリも遠のく

漁師の町は静かに寝静まり、海には波ひとつない

朝マヅメまで一休みしようかと思い始めた頃

ケミホタルがゆっくりと海中に沈んでいった

チヌの浮木フカセは遅アワセが鉄則だ

ケミホタルの光が海中にかすむ頃合いに小さく訊きアワセを入れ

魚の感触を確認すると大きく本アワセを入れる

おおっ、かなりデカイぞ

誰もいないイカダの上なので俺は遠慮なく独り言を言い

竿をしならせ魚の強い引きを楽しんだ

とても強い引きだがチヌのような魚体に受ける水の抵抗感はない

わずかに首を振りよく走るがボラのようなスピードはない

なんだろうと訝りながら時間をかけて魚を浮かせた

バシャバシャと暴れる魚の形に夜光虫が光る


何だか異様に長いぞ






...







この入江にウナギが生息しているのは知っていた

養殖生簀のこぼれエサめあてに住み着いているのだろう

60~70cmの普通サイズなら釣ったこともあった

それにしてもこのデカさはなんだ

夜光虫は軽く1mを越えて光っていた

夜光虫の光を頼りにタモ入れを試みるがうまくいかない

普通の魚のようにアタマを入れてもバックしてしまうようだ

仕方がないので蛍光灯式の大型懐中電灯を点けて照らす

何度も失敗したが、ウナギの半身がタモに入った瞬間にタモ枠にひっかけるようにしてイカダの上にはね揚げた

どすんとイカダの上にあげられたウナギはすぐタモから出て

ウネウネとその場でうねってみせたのだ







...







南洋にはオオウナギというウナギがいる
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これは怖すぎだろう

あまりの大きさにオオウナギかとも思ったが

特徴の紋様は全くない

まさしく巨大な日本ウナギで、かすかな蛍光灯の光に青灰色にぬめりと光っている

その頃はまだ長物恐怖症を患っていなかった俺は

逃がしてはならじと巨大ウナギのクビあたりをむんずと掴んだ

妙齢のご婦人の二の腕くらいの感じだった

すると巨大ウナギはぐるんぐるんと俺の右腕に巻き付き

ウチワのような巨大なぬるぬるの尻尾で

あろうことかビタンビタンと俺の頬にビンタを喰らわせたのだ



うきゃあぁぁぁあい~んんん


暗闇の独りぼっちのイカダの上

巨大ウナギから想定外の攻撃を受けて

俺は深刻な恐慌状態に陥った

腕を振り回しイカダの上で地団太を踏んだ

水音を立てて竿が海中へと落ちた

腕を締めつける巨大ウナギの力は緩むこともなく

深夜の寝静まった漁師町の穏やかな海の上で

俺はうひゃあうひゃあと情けない悲鳴を上げ続けたのだ







...







人は死に逝く時、それまでの人生を走馬灯のように思い出すという

そのとき俺のココロも過去へと跳んだ


あれは中学生だった頃

俺は全校生徒の前で教師にビンタを喰らった

悔しかったなぁ、まあ俺が悪かったのだけど...


そして数ヶ月前接待に使ったロシアンパブで

俺は金髪のロシア娘におっぱいビンタを喰らった

嬉しかったなぁ、かなり高かったけど...

香水の匂いを懐かしみながらも薄れていく意識

巨大ウナギはその尻尾で俺のアゴの下、頸動脈あたりをぐいぐいと押している



このままじゃ殺られる


ウナギに巻かれて死ぬのは悲劇といえば悲劇だが

結構みっともないだろう

ウナギやアナゴにぐにょんぐにょんに巻きつかれてダメになった仕掛け

そんな変わり果てた姿で俺は明日の朝発見されるのか

変なプレイにのめり込んで死んだと誤解されても心外だ

ここは何としても生き延びなければなるまい

強力に巻き付いた巨大ウナギは解けないが

防寒に着ているスキーウェアからなら腕を抜けるんじゃないか

そうだ、なんとかしてスキーウェアを脱いでそのまま海に放っちまおう

そう考えて自由になる左手でスキーウェアのジッパーを引き下ろしたとき

俺の頭蓋内でナニモノかの声が響いた



逃がすな獲って喰え


大脳新皮質のちょっと内側のあたり

縄文のココロが覚醒した




続く>>




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by US100243 | 2013-02-18 14:16 | 四方山話 | Comments(12)
 M ~ 禁断のボーイズラブ
>>続き

呼び鈴が鳴っていた

いつの間にか眠っていたらしい

ベッドの中でボンヤリしたまま放っていたが

しばらくしてからまた鳴る

宅配便なら気の毒だと俺は渋々ベッドを出た

ふらつく足取りで玄関へ行きドアの覗き穴をのぞくと

魚眼レンズいっぱいにの暑苦しい顔が広がっていた

ういヤツ、見舞いに来てくれたのかとドアを開ける

咲いたマンさん、釣り逝きましょ、ナナツガマ、ナナツガマ

嬉しそうにが言った








...







の言うナナツガマとは佐賀県の景勝地七ツ釜のことで

福岡から1時間半ほど海岸沿いに走る

急深な磯場ででかいチヌやメバルが釣れる

その頃七ツ釜で俺たちはよく夜釣りをした

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断崖絶壁ですよ


時計を見ると午後の4時だ

仕事はどうしたと訊くと

夕マヅメに間に合わせたくて早めに切り上げてきたという

男女群島からホウホウノテイで逃げ帰り会社を休んだ俺に

は夜釣りに逝こうと誘っているのだ


こいつのアタマの中はどうなってるんだ

脳のかなりの部分がバブルの毒に侵されていたのだろうと思うが

結局俺はと一緒に七ツ釜へ釣りに出かけたのだ








...








疲れていたが運転は俺がした

体力の限界と思っていたがゲンキンなもので

釣りへ逝くとなると何とかモッテしまう

観光地である七ツ釜の広い駐車場に車を駐めると

広い草原を抜け俺たちは断崖の縁に立つ

そこから竿と餌箱を片手に持ち小物は皆ポケットに突っ込み

ひょいひょいと崖を下って逝った

足元はスニーカーでライフジャケットも着けていない

今のモラルやマナーで叱られると困ってしまうが

当時はそれが普通だった

今より命も軽かったのか

毎月のように九州のどこかで海難事故があったと思う







...







少し波があったので海面から3mほどの岩棚から糸を垂れた

コマセも打たずにオキアミで釣る

1号竿にケミホタルを着けた棒ウキでハリスは1.5号

ほぼ垂直の崖なので根にまかれることもなく

よほどの大物でなければそのハリスで足りた

九州の日は遅く日没は関東より1時間くらい遅い感じだ

やっとあたりが真っ暗になった頃俺は大物を掛けた

泳ぎにシャープさがなかったから多分大チヌだったろうが

経験したことの無い重さだった

1号のチヌ竿は満月を描き

竿2本の深さから10分以上かけて俺はその大物を浮かせた

だがタモは無い

一度水面に出た魚はまたグイグイと泳ぎだす

まだ若くサイズや数を釣ることにこだわっていた俺は

その大物を何とかして獲りたかった

時間をかけて再び魚を浮かせた俺はに頼んだ

よ、下に降りてハンドランディングしてこい

今より命が軽かったのだ

えー、波荒いじゃないですかー

は嫌がった

じゃあ何が釣れたかカオだけでも見てきてくれ

危ないから嫌ですよ~

押し問答をしてるうちぷっつりとハリスが切れた

さすがに1.5号の限界を超えたのだろう

同時に俺の中でも何かが切れてしまったようだった






...






帰りの運転も俺がした

猛烈な疲労感と眠気を紛らわそうと俺はに話しかけた

60センチ以上あったよな

助手席で居眠りしかけていたがかすれた声で答える

ボラだったんじゃないですか~

俺はその晩から高熱を出し

忙しい時期だったが会社を一週間休んだのだ







...







しばらくして俺は会社を辞めた

関東に戻った俺は渓流釣りにのめり込んだ

利根川本流で戻りヤマメを狙ったり


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これが旨いのよ

那珂川北部漁協の組合員になり

数多い支流で天然ヤマメやイワナと戯れたのだ


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生産力の高い良い川だ


数年しては東日本に転勤になった

俺とはまた一緒に釣りに逝くようになった

年に一度は釣り合宿をした

板室のムードのある隠れ宿でお泊り釣行するのだが

俺とは一線を越えることはなかった

ココロは受け入れても身体が拒んでしまう

は暑苦しいカオをしてるしウスラでかい

それに男だし

ならばが紅顔の美青年だったら関係を持ったのか

そう訊かれればそれは分からない

だが現実のは武道系の体育会で主将だったむさ苦しい男で



絶対無理!


そんなワケで俺はアッチの世界を知ることもなく

平凡なノンケの男として生涯を終えるのだろうと思う







...







ある年は変なものを持ってきた

それまでも登攀力もないくせに、GPSで自分の位置を示す液晶モニターを持ってきたり

自身が熊のような風体のくせに、リュックにからからと耳障りな音を立てるクマよけの鈴をぶら下げてきたり

変なことをやらかしてはいたが

その時は短い竿にタイコリールを着けて現れたのだ


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紳士のスポーツフィッシングらしい

訊けばフライフィッシングを始めたという

そしてメイフライだのティペットだのナントカキャストだの

は得意げにノーガキを垂れた



逃げたな


釣れない現実から目をそむけるためにフライを始めたのだろう

だが俺はそれを否定しない

川虫を採ることだって湧水を飲むことだってノイチゴを摘むことだって

みんなひっくるめて釣りの楽しみだ

ノーガキフィッシングでが楽しめれば、そしてココロの安寧を得られるのならそれでいいと思い

俺はからからとクマよけの鈴を鳴らしながらフライロッドを振り回すの後ろ姿を眺めていた






...






フライをやってもがあまり釣れないことに変化はない

だがフライだと釣れなくても何だか偉そうに見えるのは不思議だ

に先に釣らせ、俺はその日もたくさんのヤマメを釣った

俺は釣ったヤマメを鮎釣りの友バッグに活かしておく

喰って旨そうな個体を選抜していくのだ
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ダイワ何かくれ

大きすぎるヤマメを川に戻し、ひらりひらりと泳いでいくのを見送りながら

俺はの後ろ姿に声をかけた

ヤマメ持って帰るか

それを待っていたかのように振り向いたが答える

ふ~ん咲いたマンさんキープするんですか~

ボクは基本キャッチアンドリリースだなぁ~



釣ってから言え!


そしてワタが抜いてあれば持って帰ってもいいと言う

俺は友バッグから旨そうなヤマメを選りすぐり

と妻子の分を下ごしらえして帰りに持たせてやるのだ






...






気分転換にルアーを投げたりもするが

俺はほとんどヤマメをエサで釣っていた

エサはたいてい川虫を使う

根がケチンボでエサ代が惜しいせいもあるが

売っているイクラやらブドウ虫より圧倒的に釣れるのだ
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いろいろな川虫がいる

キンパクやらヒラタやらクロカワムシやら

ピンチョロやら鬼チョロやらスナムシやら

川により季節により水況により時間帯により

当たりエサは間違いなくあり、それは変わる

それを見極めるとともに、その川虫が何時どこで採れるのかを知っていなくてはならない

そんな川虫に関する引き出しの多寡が

ヤマメ釣りの釣果に大きく影響する

俺はヤマメ釣りの技量の半分はそこにあると思っている






...






そんなヤマメのエサにこだわりを持つ俺だが

この数年は毛鉤釣り一辺倒だ

毛鉤釣りと言ってものようにフライではなく

一般的なテンカラでもない

詳しくはシーズンになったら記事にしたいと思うが

長いハエ竿にレベルライン、ドライフライで水面を釣る


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“鹿毛トビゲラ”は一番できる子

渇水時の夕マヅメなら最強のメソッドじゃないか

日没前後のホンのひとときで

たいてい喰うに十二分なだけ天然ヤマメが釣れるのだ

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...







何をやってもアバウトだったりピントを外してしまうだが

毛鉤を自作するようになってその隠れた才能を開花させた

毛鉤を巻くのが異常に上手いのだ

プロはだしと言ってもいい


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幾多の伝説を生んだ“ミカンうずら”

は精巧かつ堅牢に毛鉤を巻きあげる

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仕事は雑なのに

の毛鉤で俺はヤマメを釣る

今の俺のヤマメ釣りはの毛鉤がなくては成り立たないのだ







...








は今地方都市に単身赴任している

任されちゃいましたよ、えへへと本人は言っているが

仕事が雑だから飛ばされ20年前に会社を辞めた俺には本当のところはわからない

シーズンオフの寒い冬の夜

は独り寂しく毛鉤を巻いている


の中に巣くった妄想がカイコのように糸を吐き

はそれをカタチにし続けているのだ


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凝った毛鉤はたいてい釣れない



よ、早く戻ってこい

俺たちのホームの北関東の渓々はかなりキツめにベクレっちまったが

おたがい年をとり子も成した

ただちに健康被害がなければいいじゃないか

そしてたまには海へ逝こう

九州の頃のように海の魚を釣って喰おう

君の好きなフライフィッシングもいいぞ

フリーバードさんのように海フライの達人もいる

房総のココロ優しい魚たちはきっと

君のちょっとハズシた仕掛けにも喰いついてくれると思うぞ



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by US100243 | 2013-01-25 17:18 | 四方山話 | Comments(16)
  

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