>>前回からの続き
まずは 舐めるな!と申し上げたい
そんなことを言うとホントは舐められるの好きなんだろう
などとお下劣な茶々を入れる向きがおいでかもしれないが
そうではなくこれはマジメな魚釣りのお話で
たいして珍しくもなく簡単に釣れるからといって
カゴカキダイのような小魚釣りを
バカにして侮ってはいけないと申し上げたいのだ
...
正直を言えば実は俺も舐めていた
そんなことを言えばほほう舐めるのも好きなのか
などと下品な茶々を(ry
秋の日差しを浴びて爽やかな海風に吹かれ
ルアーを投げるフリをしながら
サンマを投げ込んでみたり
ウェット着けてサラシに挑むフリをしながら
イシガニにちょっかい出して流血してみたり
ちんたらちんたら海べりで遊ぶ合間に
そう言えばもう一品オカズが欲しいなと
ちょっと竿を出せば釣れてしまう
夕マヅメまでの暇つぶしの手慰みにと
ちょっと仕掛けを下ろせば釣れてしまう
そんな付き合いのいいカゴカキダイを
俺は呼べばすぐ来る都合のイイ魚扱いで
舐めてしまっていたんだと思う
...
よく晴れた晩秋の日の昼下がり
俺は外房から南房へと車を走らせていた
夜釣りはやめた俺だから夕マヅメだけ磯に乗って
ちょっとフカセてみようと思ったのだ
そろそろクチブトメジナにもポッテリと
脂がのってくる頃だろう
途中途中の漁港に寄り道して
水色を観たりどんな魚が入っているのかいないのか
調べてみるのは日頃の俺の習わしだ
...
とある南房の大規模漁港
釣り場としても有名で平日の今日も
岸壁にポツリポツリと釣り人が見える
サビキで盛んに小魚を釣り上げている老夫婦に
俺はこんにちはと声を掛けながら近づいた
コマセの効いた竿下に小魚が群れをなしている
多くはトウゴロウだがジンタやらアイゴやらタカベやら
種類もけっこう豊富なようだ
小魚の中には一際目立ってカゴカキダイもいた
釣り人の絶えない有名漁港だからだろう
コマセを飽食してるであろうそのカゴカキダイ達は
ずいぶんと大きくポッテリと肥えて見える
こりゃ旨そうだな
夕マズメまではまだたっぷり時間がある
ちょっとこいつらと遊んでやるか
俺はその
カゴカキダイ釣りの支度を始めた
...
1.2号フロロに早掛けのキス針を結ぶ
エサは千切ったオキアミでいいだろう
人様の足元に寄った魚を釣るのも気が引けるので
俺は岸壁に横付けした自分のオンボロ車の前に
新たに自分だけのポイントを作ることにした
フカセ用のアミブロックの表面から
解けかけたアミをスプーン1杯ほど掬い取り
目の前の海面にパラリと撒いた
音と臭いに気付いた小魚が寄ってくる
最初に駆け付けたトウゴロウの群れが
すぐに撒いたアミを喰い尽くしてしまう
またパラリと撒く
またすぐに喰い尽くされる
何度か繰り返すうちに騒ぎに気付いた他種の魚達も
次々と駆け付けてコマセを喰い始めた
カゴカキダイはその姿に似ず結構アグレッシブで
他魚を押しのけて沈下するアミを喰っている
そのうちの何匹かはテンションあがりまくりで
バシャバシャと落ちたばかりのアミを喰ってる始末だ
これはもう釣れたも同然だろう
...
千切ったオキアミをキス針に付け
群がる小魚達のそばにポチャリと仕掛けを落とす
水音に気付いた何匹かのカゴカキダイが
猛然と針に付いたオキアミに突進してくる
素早くアワセようとグッと竿尻を握りしめる
最初にエサに到達したカゴカキダイが
数ミリの間合いでストップしエサを凝視する
だが喰わない
プイと顔をそむけるとエサから離れてしまう
遅れてきた他のカゴカキダイ達もそれに倣い
水底に去って行ってしまった
エサは横からアイゴに喰われちまった
...
今度はオキアミを剥き身にしてみた
それでも突進してきたカゴカキダイ達は
エサの寸前でストップしてプイと横を向いてしまう
結構スレてやがるな
俺は針の全容が隠れるように丁寧にエサをつけた
これならどうだと振り込んだ仕掛けにも
近づいてきたカゴカキダイ達は顔をそむけた
エサは横からフグに喰われちまった
オキアミが気に入らないのか
...
俺はイソメを買いに釣り場を離れた
片手間のカゴカキダイ釣りのためだけに
わざわざエサを買うのも何だか癪に障る話だが
このまま引き下がるわけにはいかないだろう
釣りは難しいくらいがゲームとして面白い
近所の釣具屋で活きのいい青イソメを1パック買い
ヤル気を奮い立たせながら俺は釣り場に戻ったのだ
...
のたうちまわる青イソメをハサミで細切れにする
汁まみれのそれを針に付けて振り込む
やっぱりカゴカキダイは突進してくるが
くっ...喰わない
オキアミよりは幾分長く凝視していたが
カゴカキダイはイソメにも背を向けてしまった
ほらっ、キミの大好物だよ
俺は針に付いたイソメを小刻みに動かした
傷口から流れ出て海中に漂うイソメの肉汁に
やっぱり抗いきれなかったのだろう
振り向いた彼女はついに口を付けたのだ
でも先っちょだけ
前歯で皮の部分だけ甘噛みした彼女は
岸壁上で竿を握り締め見つめる俺を見上げると
うふふうふふといたずらっぽく笑うのだ
...
チモト近くにガン玉を噛ませて
速く沈めてみたり上下に誘ってみたり
ハリスを長くして自然に漂わせてみたり
万策尽きた俺が竿をたたむ頃にはもう
漁港は夕闇に包まれ常夜灯が点きはじめていた
結局4時間釣って釣れたカゴカキダイは
誘いにリアクションで喰いついてきたのを
何とかアワセることができた1匹だけだった
...
釣れた1匹だけのカゴカキダイを塩焼いて
純米酒を啜りながら俺は反省した
カゴカキダイを愛してると公言しているくせに
俺はココロのどこかでカゴカキダイを軽んじて
ちょっとバカにしていたんだと思う
彼女の優しさに甘えていたのかもしれない
ぞんざいに扱ってしまってゴメンよ
俺は謝った
いいのよ、分かってくれれば
カゴカキダイが答えた
懲りずにまだ続く>>
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最後まで読んでくれてありがとう
今週半ば、今年初めての釣りに出掛けました。
どこも魚は少ないですね。
数年振りに外房の大港を覗きに立ち寄ると、ジンタ鯵が群れてました。
勿論、年寄り釣り人も群れてました。。。(*_*;
カマスはかなり釣れてましたが、人の殺気が純情でなかったです。
やはり外房は苦手ですね。。。
あっしもカゴカキやりに逝きやしたがアタリエサはやはりアミエビでございやした。
延縄…じゃなかったトリック仕掛けが一番釣れやしたねw
昨日久しぶりに釣りに逝ってきやしたが狙いのヒラマサは釣れずメジナだけが遊んでくれやした♪
続き楽しみにしておりやす♪御免なすって(^^)
さて、これからリカバリーされてまた都合の良い関係を築けるか楽しみです。
磯トンボさん、おはようございます。
本日も拙ブログにお越しくださり、ありがとうございます。
外房パトロールされましたか。
外房の釣り人数はアジやカマスの群れの大きさに比例しますので、仕方ないのかもしれませんね。
ワタクシも怖くて近づけません(笑。
何とか節度を持った釣りをしてもらって、これ以上釣禁漁港が増えないよう祈るばかりです。
海おとこさん、おはようございます。
本日も拙ブログにお越しくださり、ありがとうございます。
流石です、次回エサに関してはおっしゃる通りの流れになりそうです。
しかし延縄漁法はいただけませんね。
カゴカキダイ釣りは針一本の漢釣りとして、味わっていただきたいものです(笑。
katsuさん、おはようございます。
本日も拙ブログにお越しくださり、ありがとうございます。
そんなつもりはなかったのに、知らずカゴカキダイを軽んじてしまっていたようです。
これは人間関係にもあることじゃないかと、深く反省いたしました。
でも誠実にお願いすれば願いはかなうのかといえば、そうでもないところが悩ましいです(笑。
デミさん、おはようございます。
本日も拙ブログにお越しくださり、ありがとうございます。
内容がないとのご指摘、誠におっしゃる通りで返す言葉もございません。
でも文章はつまらなくはないと、フォローしていただけただけで充分です。
ワタクシの与太話の本旨は、ほとんどそれに尽きますので(笑。
全く同じ、ナメナメを日曜にしてきました。
「ほら、咥えるんだろう?咥えたいんだろ?
旦那が相手してくれないんだろ?」
と、妊婦(腹パン)に対し、
チャイナ産バッタもんジグをヒラヒラさせてました。
周りは二桁近く沖メバルを釣ってるのに、
何故か片手で終わり、、、
漢はナメてはダメですね。。。
で、サイタマンさんと同じく、
大漁のメヌケ餌船を覗けば一匹くらい貰えるかと思いましたが、貰えませんでした…
10匹もメヌケいらんやろー!
今度、貰い方教えて下さいませ…
あおみのさん、おはようございます。
コメントくださり、ありがとうございます。
でもぱちもんジグでオラオラなんて野蛮な行為は、ちょっといただけませんね。
拙ブログは下ネタ禁止の釣りと家庭菜園のブログですので、その辺をしかとお含みおきくださいませ(笑。
(*´ω`*)
もうホント、毎回想像を掻き立てられます♪色んな意味でニヤニヤしながら読んでますよ~。
私、和歌山に引っ越しました。東北とは魚が違って面白いです。一度しか釣りに出かけてませんが、初めてベラ釣りました。あと、ひげある魚(笑)和歌山にもカゴガキダイいるかなー??そろそろ食べてみたい!
キュウリ草さん、おはようございます。
コメントくださり、ありがとうございます。
なんと和歌山にお引越しですか。
いつも自然に恵まれた素敵な地域にお住まいで、羨ましいです(笑。
ひげのある魚とはオジサンでしょうか。
ヒメジの類は大きいのも小さいのも、たいてい旨いですね。
山に入ればヤマメの代わりにアマゴがいます。
ぜひ和歌山ライフを堪能してくださいね。