<<前回からの続き
鬱勃たる性的エネルギーに衝き動かされ
獲物を求めて街に彷徨い出た俺は
強烈な既視感(デジャ・ヴ)に包まれていた
これは以前にも確かにあった
オスの本能の赴くまま
俺は獲物を探し求めて彷徨い歩いていた
ずっとずっと昔
そうあれは俺が中学生だった頃
...
高度成長期も最終局面を迎えた昭和の時代
野放図に開発され尽くした俺の故郷にも
武蔵野の面影を残す雑木林が所々に残っていた
中学生の俺は林の中をうろついては
ヤマグリを拾ったりジネンジョを掘ったり
そしてもっともココロはずむ収穫物は
エロ本だった
ちり紙交換に出すのもハバカラレたのだろう
雑木林には結構エロ本が捨てられていた
雨露に打たれたそれらはボロボロごわごわになり
バリバリに張り付いてめくれないページがあったり
裸体画の下からムカデが走り出てきたりした
雑木林の地面にしゃがみ込んで思春期の俺は
湿った腐葉土の匂いに包まれながらコ―フンした
昭和のエロチシズムの世界にたゆたっていたのだ
...
金木犀の匂いを嗅ぎながら平成に生きる俺は
まるでその頃に戻ったかのように感じていたが
ココロの奥底ではそれが錯覚だと悟っていた
中学生の頃と今の俺では決定的な違いがある
そう、それは
もう弾切れだろう
これで最後だよ
とりあえず弾を補充しよう
...
カラダのあるパーツが弱っている時には
牛や豚のそのパーツを喰うといいという考えがある
心臓が弱っていればハツを肝臓が弱っていればレバーを
喰って補うとそれなりに効くというのだ
そんなものは迷信だとおっしゃるか
その通り迷信だと俺も思う
バカ高い価格でサプリメントが売られている
他人の商売にケチは付けたくないが
グルコサミンやらコンドロイチン
消化されアミノ酸やら糖に分解されてしまうのに
そんな成分が体内に入りまた都合よく
軟骨やら睾丸やらに駆けつけてくれはしないだろう
それでも人は何かにすがらずには生きていけない
俺もそんな弱い人間の一人なのかもしれない
...
俺は煮魚を喰う時かならず脳味噌をチュウチュウする
理由は申し述べるまでもないだろう
そして同じ理由でとても白子を偏愛しているのだ
一等旨いと思う白子はトラフグの白子だ
たいていの人は賛成してくれるだろう
トラフグの白子は超絶旨い
超絶旨いが超絶高い
俺にとって特別な喰い物で日常喰うものではない
身近な所ではメジナの白子はかなり旨いぞ
だが残念なことに白子の成熟とともに
メジナの身肉は磯臭く締まりなく不味くなる
いっそ白子だけ取り出して魚体は捨てちまおうかとも思うが
流石にそんな鮭の密漁者のようなヤクザなまねはできない
白子は旨いが身肉も一緒に喰わなきゃならんと思うと
どうも産卵期のメジナはキープする気になれないのだ
そうだそろそろタラの白子がでてるんじゃないか
ああ早く喰いたい
マダラの白子は良い物ならばトラフグに負けない
だがその美味が知れ渡ったのか最近はかなり高い
だから俺が常食するのは格下のスケソウダラの白子だ
なにスケソウだって充分旨いのは前にもお話した通りだ
俺は獲物を求めてスーパーへと彷徨いこんでいった
...
スーパーの白子売り場でゲットした本日の白子
サケの白子だ
100gあたり55円と超絶安い
半額セールの豚小間肉より安いんじゃないか
売ってる動物性タンパクでは最も安い部類だろう
ちなみにメスザケの腹子の値段を見て見ると
白子の10倍以上だw
オスザケせつねぇ
この可哀そうなまでに安いサケの白子の値段だが
いちがいに不当な評価だとは言えない
なぜならあまり旨くないのだ
かなり生臭いし白子のくせにクリ―ミィじゃない
生命を殺めて得たせっかくの自然の恵みなのだから
何とかしたいと毎年買って喰うが何ともならない
だが今回は違う
北海の粋人(スイジンだよイキビトじゃないよ)なみ平さんの
洒落たブログで逝けそうなレシピを発見したのだ
今シーズンは安くて旨いサケの白子料理で
弾を補充できるかもしれない
...
最初に言っておくが俺はイイカゲンな人間だから
なみ平さんの指南通りに料理はするが
いつも通り所々で手抜きをするだろう
不安な方はなみ平さんのブログにお邪魔して
過去記事読んでちゃんと勉強した方がよろしい
さて今日は白子料理の定番のポン酢和えと
なみ平さんイチオシの竜田揚げを作ってみよう
まずはクンクンしてみよう
スケソウダラの白子などは俺達と同じ匂いがするが
サケの白子はちょっと違う生臭さだ
このへんも弾の補充感に欠けて評価は低い
その生臭さのもとらしい血管を取り除く
もっと丁寧に
塩をまぶしてしばらく放置
時間はテキト―
流水でヌメリを洗い流す
この時血管やら薄膜やらの残骸をキレイにとる
酒をぶっかけてしばらく放置
なみ平さんは酒水を1:1にしてマリネしてたかもしれないが
なに酒が濃いほうが効くだろう
時間はテキト―だ
鍋に水とだし昆布を入れて火にかける
沸騰する直前に火を止める
下拵えした白子を放り込む
なみ平さんの教えでは75℃で3分間との手順だが
もちろん俺は温度を計ったりするはずもなく
冷たい白子を放り込んで75℃になったと澄まし顔だ
引きあげて流水で洗って冷やし切り分ける
煮てしまわないことが肝心だ
俺の自然農園にぶちまけておいたワケギが芽吹いている
ムシってきて薬味にしよう
ポン酢に浸して好酒肴の出来上がりだ
スダチでも絞りかければなおイイだろう
冷蔵庫で冷やしておこう
まだ大量に残っている白子を一口大に切り分ける
酒、しょうゆ、ショウガで下味を付け片栗粉をまぶす
たっぷりの油で揚げる
これも揚げ過ぎないことがポイントだろう
どれ、ひとつ喰ってみよう
アチチチ
おおっ、なかなか旨いな
揚げ物は揚げながらつまみ喰うのが一等旨い
だが油の蒸気にやられるのかすぐ食欲がなくなる
この現象を俺のオフクロは油負けと言ってたな
揚げ終わり少し油負けを自覚した俺は
スポーツジムに逝ってひと泳ぎすることにした
サッパリしたらビールを飲んで弾丸を補充しよう
...
スポーツジムから帰ると一番下のバカ息子が
父さんこのカラアゲ美味しいねとおベンチャラを言っている
おおそりゃヨカッタなと笑いながら
猫の額よりも狭いココロの持ち主の俺は
胸の中で悲痛に叫んでいた
高校生が白子喰ってどうする!
オマエにゃ必要ないだろう!!
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読んでくれてありがとう
本日も拙ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
弾は補充しましたが、ターゲットが見当たりません。
聞けば外来種の金木犀も日本国内にはオスの木だけ、メスの木は一本もないそうです。
つまりいくら匂いサカッテも、ムダ弾なのですね。
植物もお魚もニンゲンも...
オスって哀しいものです(笑。
お誉めのコメント、ありがとうございます。
もともとは清らかな家庭菜園と魚釣りのブログだったのですが、どうもクダラナイ記事が続いてしまって恐縮です(笑。
これに懲りずに、ぜひまたお越しくださいませ。
サケの白子は食材としては、奥深いですね。
赤い玉ではなく、白い玉の補充ですかね。
ポン酢和えは食べ過ぎに注意です、お腹がユルくなるかもしれませんから。
いつもどおり、楽しく拝読させていただきました。
先日幼馴染とFB上でもりあがったんですが、私らの幼少時のエ〇本の収穫場所(いわゆる、ポイント)は近所を流れるT川の河原・・・すすきの蔭、ということで一致しました(大笑)。息子さんの弾薬庫に、どっかの小娘が「付け火」でもしないことをお祈りいたします(笑)。
白子・・・ってタラのしか食した事がないかも。
有名な所では河豚の白子ってのがあるけど、恐いのと高いのとでとても手が出せる代物ではありません。
コメントいただきまして、ありがとうございます。
懸案だった鮭の白子、なみ平さんレシピのおかげで今シーズンは堪能できました。なにしろ安い(笑。
オナカの方は大丈夫ですが、なんだか10歳くらい若返ったような気分になるのは、気のせいでしょうか。
コメントいただきまして、ありがとうございます。
岡崎よりさんの故郷の河川敷にも、エロ本のポイントがあったのですか。のどかな少年時代を過ごされたのですね。
ひょっとするとヤマメの就餌点や適水勢のように、エロ本にも理論的に集まりやすい場所があるのかもしれません(笑。
コメントいただきまして、ありがとうございます。
確かにフグやタラは別格で、真子と比べると白子はあまり顧みられませんね。大して旨くない場合も多いですし。
ただ特別に旨いフグの白子、ほとんどの種類のフグの白子は無毒だそうですから、HG磯はご馳走の宝庫といえます。
まあワタクシもちょっと手が出せませんが(笑。
恐れ入りました♪
我が家でもフグの白子は高根の花・・・専らタラの白子でございます(笑
サケの白子も売ってるんですね。
これは知りませんでした・・・今度探してみようかな?
明日への活力の為に弾丸補充いいんですが、暫くは嫁から禁止令がでそうです(笑
コメントいただきまして、ありがとうございます。
白子ネタなんぞで下らぬ駄文を書き連ねてしまいましたが、これも時化続きで釣りに逝けない退屈しのぎ、アワレに思ってご容赦ください。
お若いのですから白子は必要ありません、年寄りに残しておいてください。
アナタもういいのなどと言ってるうちが華、どんどんおやんなさいと咲いたマンが申してると、奥様によろしくお伝えください(笑。