今日は外房で遊ぼうと考え市原インターを出た俺は
清澄山スルーで鴨川に降りるか
松野から入って小湊へ逝くか
勝浦に直行するか
未明のアジングをどこで釣るか決めあぐねていた
釣果的には勝浦がカタイだろう
だが今日はただ釣れるだけじゃダメだ
東の空がひらけたポイントで釣りたい
ふたご座流星群を見ながら釣りたいのだ
寄浦港の小沢丸横辺りがベストポジションと言えるが
今はもう立ち入り禁止になっちまったから迷うところだ
...
若い頃俺はジャコビニ流星群やらナントカ流星群やら
流星群が来るたびそれを口実に娘さんを誘いだした
もちろん下ゴコロやら何やらパンパンだったw
老いぼれた今となってはもうそんなこともなく
ただ純粋に流れ星を見ながら釣りをしたいと思い
俺は深夜の国道を走っている
...
外気温はマイナス4度
房総でも内陸部は相当寒い
東に向いた車のフロントガラス越しに
花火と見間違えるような大きな星が流れた
おぉっ、もう始まってるのか
とっさに俺は願い事を唱える
アジ釣れろっ
あまりにもささやかな願い事だw
もちろん俺だってごくフツ―の男たちのように
世界征服だの女房征伐だの
ごくフツ―の野望を胸に抱いている
だが流れ星が流れるという瞬間的な勝負時には
そんな大それた野望にまで思いは至らず
つい眼先の欲望を口走ってしまうのだ
こんな所にも人間の器の大きさがでてしまうのだろう
ニヒルに笑う目の前にまた大きく星が流れる
カニ獲れろっ
...
流星を探しながら走る俺は道を曲がりそこね
結局勝浦は松部漁港に車を滑り込ませた
3ポンドテストのナイロンに1.3gのジグヘッドを直結
ワームを替えながらテンポよく探る
釣り始めるとすぐに大型漁船が往ったり来たり
そんな時間帯だった
こりゃ場所選択を誤ったとすぐ鵜原に移動する
...
鵜原漁港は、勝場港と長入港からなる
二つ並んだ同規模の漁港なのだが
なぜか圧倒的に手前の勝場港の人気が高い
皆が来るからコマセも効くのだろうアジも来る
平日の今日も釣り人は多い
当然俺は誰もいない長入港で釣る
まるでアタリがない
闇夜の大潮の上げ最中
条件はいいはずだ
業を煮やした俺はヘッドライトで水中を照らす
数匹アジらしき魚影が見えるがヤル気なさげだ
見切って俺は車を南へと走らせた
...
薄明るくなって小湊漁港
水を見て俺は驚いた
とんでもない澄み潮なのだ
大潮の上げいっぱいで水深はあるのに
普段キレイとはいえない漁港の水底が
ゴミやら小石まで丸見えなのだ
港内にロクな魚がいないことまで丸見えなのだ
これだけ外気温が低いのに海面の湯気も少ない
水温も相当低いのだろう
ボラだけが変わらず群れをなして泳いでいる
...
水底に漁師がブン投げた小サバが散らばっている
目を凝らして見てもそれに着く生物はいない
こりゃカニも望み薄か
今日は厳しい釣りになりそうだ
俺は竿を持って浮遊するゴミや係留船の下をチェックして回る
ヤル気なさげな小魚ばかりだがカマスがなんとかなりそうだ
群れの先にワームを投げ込んで誘う
最初の一投だけ少し追ってくるが、二投目からは知らんぷり
窮した俺はリアクションで喰わそうとパールホワイトのワームに替える
秘儀ナントカお願いしますよメソッドで
ちょっと小さいけど
さらにお願いして
ゼイタクは言えない
ナントカお願いし続けて喰う分5匹を確保した
...
いくつかの漁港をチェックするがどこも同じ状況だ
規模の小さい漁港などはまるでプールだw
記憶にないほどの澄み潮の漁港でワームを投げて
実は大変な収穫を得た
俺のブログに似合わないから詳しくは述べないが
リグの動きをつぶさに見たのだ
それは遠投すればするほど
深く沈めれば沈めるほど
イメージとはかけ離れた振る舞いを見せた
カウント5で2m沈むならカウント10なら4mか?
全然沈下速度が違うのだ
ボトム付近をゆっくりとリトリーブ?
ぐんぐんレンジが切り上がってるぜ
ちょんちょんトウィッチ?
上に向かってピョンピョンしてるぞ
俺は夢中でいろいろ試した
ラインの浮力を介してリグは思わぬ動きを見せる
フロロやポリエステルなら少しは違うだろうが
あくまで程度の違いだけだろう
何年分の経験にもまさる実験ができたと思う
俺は何十年もケタ違いの細糸でヤマメやアユを釣ってきた
水中での仕掛けの動きには気を使ってきたし、少しは分かってたつもりだ
自分の想像力と理解力の無さを棚に上げ、こう言っておこう
釣りは深い
...
小規模漁港の駐車スペース
俺は使いこんでズタボロになったカニ網1号とカニ網2号を取り出した
おもむろにその二つをつなぎ合わせ
俺は合体ロボ1号を製造したのだ
破れてしまったエサ袋を新たに装着する
2個入り100円
エサのサンマは抜かりなく半額ゲットw
昨夜スーパーで
見渡す漁港は日に照らされて、水底のチギレ藻の破片まで見ることができる
狙うならあそこしかない
コーナーの係留船の影
一投入魂
サンマを仕込んだ合体ロボ1号を投げ込み俺は車へと戻ったのだ
...
酷く疲れている
昨夜通っているスポーツジムの水泳部で散々シゴかれ
身体はクタクタなんだが神経が高ぶって眠れず
そのまま出撃したのだ
こんな時に身体を伸ばして眠れるよう
俺は車の後部座席を格納しフラットにしている
フラットにはしているがそこにはダラシナク釣り道具が積みっぱなしになっていて
横になる余地は全くない
真冬なのに鮎ダモまで積んでるw
自業自得とはいえリクライニングすらできない運転席に座り
俺は大きくふうとため息をつく
運転する姿勢のまま1時間ほど気を失ったようだ
...
足元が寒くて目が覚める
エンジンを回してヒーターを付けた俺は
魔法瓶の湯で紅茶を淹れて啜った
ラジオで大沢悠里が今日で「小沢昭一の小沢昭一的こころ」は最終回だと言っている
彼が入院してからこの番組は
過去の傑作選を流していた
それもこれで最後だというのだ
今日でほんとうの終わり
小沢昭一はよく童謡を歌っていた
老人が歌うのだから老謡だと言っていた
今日は「思い出のアルバム」を歌っていた
この歌は今では卒園式の定番らしいが
俺がガキの頃には歌われていなかった
大人になってからそれを聴き
俺はなかなかいい歌だと思った
小沢昭一もそんな意味のことを言い、そして歌った
いつのことだか
思い出してごらん
あんなこと
こんなこと
あったでしょう
嬉しかったこと
おもしろかったこと
いつになっても
忘れない
...
サンマ臭いタオルで顔を拭うと俺は車外に降り立った
空気は冷たく日の光はあくまで眩しい
そろそろカニ網を上げてみよう
漁港のコーナーに回り細引きを引く
微妙な重みで何かが付いているのがわかる
それがカニなのかゴミなのかは分からないがw
おぉっでかいイシガニかな
モンツキイシガニきたーーーーーっ
これは超レアだろう
最初はジャノメガザミかと思ったが、あまりにもゴツイ
よくよく調べてモンツキイシガニと同定した
ブロンズに底光りする甲羅
イシガニがさらに筋トレしたようなハサミ
カッチョよすぎるぜモンツキイシガニ
...
落ちハゼを狙ってイソメでチェックして回るが無反応
たまにアタルのもサビハゼくらい
およびでない
風が強くなり海面が波立つ
海水に色がついてきて海は変わりつつある
南房の夜磯なら勝負になるかもしれない
内房の根魚ならおみやになるかもしれない
だが今日は外房シバリと決め
太夫崎港で俺は車をUターンさせた
悪条件の外房とトコトン付き合ってみようと思ったのだ
...
一年で一番日が短いこの頃
夕マヅメの漁港で良型のイシガニを追加した
小指くらい逝けるよな
常夜灯周辺のボトムを探る
昼間体得したイメージでねちねち攻める
わずかに感じるアタリ
俺は流行りの鬼アワセはしない
川釣りで大アワセはヘボのすることと身に染みているからだ
違和感を竿先に乗せたまま強く短くアワセる
緩めのドラグがチリチリと鳴く
苦労しました
同じ攻め方で次も来た
肉厚で旨そうだ
やっと5匹だが喰うにはいい分量だ
まあまあの型揃い
先刻挨拶を交わしたアジンガーが
「失礼ですがこれいりますか」と声を掛けてくる
見ればでっかいマハゼだ
普通初対面の人間に外道をいるかとは訊かないだろう
なぜ俺が貰ってでも喰いたい人間だと分かったのだ
恐るべしアジンガー
ありがたく頂戴した
落ちハゼもゲット
...
結局今日もそれなりに楽しめた
夜空を見上げる視野の片隅に
普通サイズの流れ星が見えた気がした
俺は別段願い事を唱えるでもなく
帰ってカニを茹でるかとつぶやくと
リクライニングしない運転席にゆっくり
身体を滑り込ませたのだ
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迷わず押せよ押せばわかるさ
悪条件でもちゃっかりおみやはゲットですね♪
カ、カニが美味そう…
近所の釣具屋に網買いに行ったら売り切れでした。
やっぱりブーム?w
因みに金曜晩に南房磯にてカゴ・フカセでやりましたが見事散って来ました(^^ゞ
久しぶりにご訪問いただき、有難うございます。
カニなんぞやらずに磯に邁進なさってください。
izu様の釣果をこっそり参考にして、(弥生丸のように)後から荒しにまいります(笑。
懐かしい釣り場の名前ばかり・・・
なんとなく行ってみたくなしました。
太夫崎港・・・籠釣りで良い思いをした記憶があります。
大昔のことだから今は無理かもね。
ご訪問いただき、有難うございます。
>太夫崎港・・・籠釣りで良い思いをした記憶があります
静かで綺麗で小生も気に入っていて、つい寄ってしまう漁港です。
でもなぜか、あまり釣れません(笑。
年末のお忙しいさなか、拙ブログにおいで頂きまして、誠にありがとうございます。
>すっかり
カニにはまってますね〜〜
このままタラバでも獲りに、北方領土でカニアミでも投げたいところですが、貧乏暇なし、南房での釣り納めもあやしくなってまいりました。
年末もご安全に。